将棋の竜王戦七番勝負第6局が12月12日、鹿児島県指宿市の「指宿白水館」で始まった。同シリーズ3勝2敗としている羽生善治竜王(48)は、この対局で挑戦者の広瀬章人八段(31)に勝てば2期連続8期目の竜王位となると同時に、タイトル通算100期の大記録を樹立する。
羽生竜王は同シリーズ第1、2局で快勝。第3、4局は逆転負けを喫したものの、第5局では終盤までミスのない鋭い指し回しで3勝目を挙げて、タイトル防衛に王手をかけた。指宿白水館は昨年、当時の渡辺明竜王からタイトルを奪取し、前人未踏の「永世七冠」を達成した思い出の場所でもある。前日に取材を受けた羽生竜王は、タイトル100期に向けて「何か特別なことができるということではないので、今自分が持っているものを出し切って、自然体で臨めればいいかなあと思っています。この一局に注目してもらえるように、内容的にも奥深いものを指せるように、自分なりに全力を出したいと思っています」と語った。