今でこそ女流棋士が増え、さらには天才・藤井聡太七段(16)の活躍や漫画・アニメ・映画のヒットもあり、女性ファンが増えた将棋の世界だが、ほんの数年前までは従来のイメージどおり、男性がほとんどを占めていた。今から20年ほど前に5歳上の兄に将棋を教わった伊藤沙恵女流二段(25)は「お姉ちゃんがピアノをやっていたので、将棋とピアノ、どっちをやるか、という話になって将棋にしました」と、奏でるよりも戦う方を選んだ。ただ、その道の先には男性ばかりに女性1人という、孤独な戦いが待っていた。