パブリックビューイングも開催されたプロ麻雀リーグ「大和証券Mリーグ2018」12月21日の1回戦で、赤坂ドリブンズ・鈴木たろう(協会)が個人8勝目、チーム18勝目を挙げた。
対局者は起家からEX風林火山・勝又健志(連盟)、渋谷ABEMAS・多井隆晴(RMU)、セガサミーフェニックス・茅森早香(最高位戦)、赤坂ドリブンズ・鈴木たろう(協会)。
鈴木は12月18日の1回戦で6万点台のトップを取ったが「本当はもっとアガリたかった」と貪欲さを見せていた。NMB48の村瀬紗英が出演する麻雀番組では、解説者として柔和な表情で見守るが、いざ自身の対局となれば一切の妥協を許さず、とことん得点を叩き出す。まさに「神の頂」を目指すかのごとく、勝利への探究心が満ち溢れた選手だ。
東場では、大物手を連発した茅森が5万点を超え、3人が1万点台で追う展開となり南場へ。独走する茅森に待ったをかけたのは「鈴木たろうという選手はいつでもどこでもトップ狙ってますからね」と解説のU-NEXT Pirates・石橋伸洋(最高位戦)の予告通り、鈴木だった。
南1局、多井の7巡目リーチに対して、12巡目にヤミテンでも満貫確定のテンパイにこぎつけた鈴木は、多井の河に自身の待ち牌があったが追っかけリーチで真っ向勝負。このがむしゃらさが結実し、リーチ・タンヤオ・赤・ドラ3で跳満1万2000点に仕上げて追撃開始。
南2局で4000点を加点した鈴木は、南4局の親番をトップ目・茅森と1万3100点差で迎えた。「たろう、この点差、絶対オリないですね」と石橋がまた予告する中、茅森の仕掛けにひるむことなくリーチを宣言。リーチ・ツモ・平和・ドラで7800点を加点し、700点差まで詰め寄った。
続く南4局1本場、3着目だった勝又から4巡目にリーチが入り「かなりやばいけど、オリたら負ける」と攻め貫こうとした鈴木だったが、5巡目に茅森からもリーチが入り「茅森がリーチをするということはかなり基準が高い」と冷静に戦況を見極める作戦に変更。結果、茅森が勝又に放銃したことで、鈴木が逆転トップを手中に収めた。
一時は不振が続き、個人スコア▲215.5の20位と、辛酸をなめただけに「(リーグ)序盤はなんとも言えない気持ちでずっと過ごしていたんですけど、序盤の分は取り返したかな」と取り返すどころか、個人スコアを+128.3ポイントまで伸ばして3位へ浮上。“ゼウス”と称される鈴木がまた一歩「神の頂」に近づいた。【福山純生(雀聖アワー)】
【1回戦結果】
1着 赤坂ドリブンズ・鈴木たろう(協会)4万5200点/+65.2
2着 セガサミーフェニックス・茅森早香(最高位戦)3万5300点/+15.3
3着 EX風林火山・勝又健志(連盟)1万9400点/▲20.6
4着 渋谷ABEMAS・多井隆晴(RMU)100点/▲59.9
※連盟=日本プロ麻雀連盟、最高位戦=最高位戦日本プロ麻雀協会、協会=日本プロ麻雀協会
◆大和証券Mリーグ2018 7チームが各80試合を行い、上位4チームがプレーオフに進出するリーグ戦。開幕は10月で翌年3月に優勝チームが決定する。優勝賞金は5000万円。ルールは一発・裏ドラあり、赤あり(各種1枚ずつ)。また時間短縮のために、全自動卓による自動配牌が採用される。
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