12月21日に羽生善治九段(48)を破り竜王位を獲得した広瀬章人竜王(31)が12月25日、順位戦A級6回戦で糸谷哲郎八段(30)との対局に99手で勝利し、今期の成績を5勝1敗とした。これでA級10人がすべて6局を終え、単独トップは6戦全勝の豊島将之二冠(28)、5勝1敗で広瀬竜王と羽生九段が並んでいる。竜王に続き名人を目指す広瀬竜王は、次局で豊島二冠との直接対決に臨む。
 将棋界の勢力図が、ここに来て激変の様相を呈している。今年度、豊島二冠は初タイトルとなった棋聖、さらに王位と一気に二冠に。広瀬竜王は久々のタイトル獲得となったが、同時に渡辺明棋王(34)への挑戦権も獲得している。2人のうちいずれかが名人に、広瀬竜王が棋王にもなった場合、今年度無冠でスタートをした2人が、一気に8つのうち5つのタイトルを占める可能性がある。