平成三十年の九州場所で11勝を挙げ、敢闘賞を受賞した阿武咲(阿武松)がインタビューに応じ、右ひざ後十字靱帯損傷の大怪我を乗り越えて掴んだ“復活の手応え”を明かした。
先場所の取組を振り返った阿武咲は「ひざの怪我をしてから最も前に出て攻めることができたのが収穫。自信にもなった」と喜びを噛み締めるように淡々と語った。
また二桁を決定づけた十四日目、阿炎(錣山)との一番について問われると、一瞬表情を緩めて「負けたくなかったので」とポツリ。「阿炎関はずらし方や駆け引きが巧いので、そういったことに惑わされずに取り切ろうと臨み、その通りにできた」と再び表情を引き締めた。
横綱不在の場所で13勝を挙げて優勝を果たした同世代の貴景勝(千賀ノ浦)については「刺激になるし、優勝して嬉しかった」と話すも「素直に喜ぶことはできない」と本音も。その一方、同世代ライバルの活躍を間近で見て「夢や憧れだった優勝に現実味を帯びてきた。自分ももっと頑張ればいける(優勝できる)のではないかと思うことができた。本格的に火がついたので、次は自分が」と自信に満ちた表情で続けた。
「優勝」の二文字を自ら口にしたということが、怪我からの復調と確かな手応えを物語っている。番付を前頭六枚目に上げて臨む阿武咲の初場所が楽しみだ。
(C)AbemaTV