昨年のユーキャン新語・流行語大賞のトップ10に、ゲームを競技として行う「eスポーツ」が選ばれた。ついに来た「eスポーツ元年」に、テレビやネットでの番組、イベントが増加。これとともに一気に忙しくなったのが、タレント椿彩奈だ。各所でMCにと引っ張りだこに状態になっている。そんな椿は、麻雀においても「芸能界女子麻雀部」をまとめる存在でもある。ゲームは国内で複数、プロリーグが誕生し、麻雀も「Mリーグ」がスタートした。同じ娯楽からスポーツへと昇華しようとする2つの業界の共通点・相違点について聞いた。
「ゲームと麻雀しかしてないです」と笑って語る椿だが、その熱意が仕事へとつながっている。eスポーツの流行とともに、仕事の依頼が殺到。「eスポーツのことを分かっていて、MCができる女性というのがあまりいないので、そこで必要としていただいている気がします」と、現状を冷静に把握している。一方、時々番組に出演する麻雀についても「すごく好きですよ。(麻雀部には)最近アイドルの子や、女子アナさんも入りたいと言ってくださって」と、手ごたえを感じている。かつてはゲームや、それを提供しているゲームセンターも、あまりいいイメージを持たれなかったが、現在では多くの人がスマホアプリでも当たり前に楽しむようになった。麻雀も徐々にではあるが旧来のギャンブルイメージも薄れ、若い女性の参加者も増えてきた。
では、「プロ」の世界を比較するとどうか。椿の感覚では「今のところeスポーツの方が優勢ですかね」といったところだ。eスポーツは、プロゲーマーたちが各種メディアに取り上げられるようになってきた。一方、プロ麻雀リーグ「Mリーグ」は、俳優でもある萩原聖人が突出した存在となっていて、一般的な知名度の向上はこれから、といった状況だという。「eスポーツが強いのは、海外のものすごく大きなストリームに巻き込まれて、それに憧れてきたっていうのがあります。プロトタイプがあるので、日本でも海外の真似というか、追随しやすいのかなと思います。麻雀は日本のルールが世界でも一番よくできていると思うので、自分たちで切り開いていかないといけないところに、ハードルの高さがあるかなと思います」。どちらも世界最大のスポーツの祭典、オリンピックの競技化を目指しているが、既に海外で1つの文化になりつつあるeスポーツに比べ、麻雀は日本発で世界に広める必要があると思うからだ。
これからさらなる発展を目指す麻雀界でも、やりたいことはいくつもある。「芸能界にいる女の子の雀力は、もっとレベルアップした方が絶対にいいと思うんです。芸能界女子麻雀部からも、対局番組でしっかり打てる子を、今年は2人くらい出せればとも思っています」と、親心にも似た思いで、業界を盛り上げる“麻雀女性タレント”を育成するつもりでいる。「身内だけで打っていてもなかなかレベルが向上しないので、人に見てもらえるテレビ対局のリーグ戦とかできるといいんですけどね。見られて、叩かれて。それでいいと思います」と、叱咤激励があってこその向上だと感じている。
新語・流行語に入ったことで、より発展が期待されるeスポーツと、これからの拡大が望まれる麻雀。「隣の業界」とも呼ばれる2つの娯楽業界が切磋琢磨まで成長すれば、椿はさらに忙しくなる。【小松正明】
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