将棋の藤井聡太七段が1月20日、朝日杯将棋オープン戦の本戦1回戦で稲葉陽八段に98手、2回戦で糸谷哲郎八段に96手で勝利し、準決勝進出を決めた。昨年、同棋戦で史上最年少での一般棋戦優勝を果たした藤井七段は、順位戦A級に所属する2人の先輩棋士相手に堂々と連勝。羽生善治九段以来、史上2人目となる同棋戦連覇に向けて、トップクラスの棋力を示す2連勝でスタートを切った。次局は行方尚史八段と対戦する。
藤井七段は昨年2月、羽生九段(当時竜王)や、広瀬章人竜王(当時八段)らを破り、史上最年少15歳6カ月での一般棋戦優勝を果たした。前年覇者として本戦からの出場なった今期は、いきなり順位戦A級棋士との対局となったが、名人挑戦経験もある稲葉八段、竜王位の経験があり早指し巧者としても知られる糸谷八段と、現在の将棋界でもトップクラスの実力を誇る2人を相手に快勝。前年覇者が、一回り成長した姿を見せて、見事にベスト4入りを果たした。対局後に藤井七段は2戦を振り返り「A級棋士の稲葉先生と糸谷先生、どちらも始まる前から楽しみな対局で、自分なりに思い切りよく指せて、勝利に結び付けられてよかったなと思います」とコメント。準決勝の抱負に「今年も準決勝の舞台で戦えるのをうれしく思います。行方八段とは初対戦になりますが、居飛車党の本格派という先生という印象があります。思い切りぶつかっていければと思います」と語った。解説を務めた佐々木勇気七段は「2人のA級棋士相手にびっくりするぐらいの快勝」と称えていた。
朝日杯は持ち時間各40分の早指し棋戦。過去11回のうち、複数回の優勝、さらに連覇をしたことがあるのは、羽生九段だけ(優勝5回、2013~2015年で3連覇)。藤井七段が優勝すれば、史上2人目の連覇達成となる。
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