16日、性風俗店あっせんの疑いでバー経営者の岸井謙典容疑者(24)、京都産業大学に通う江端光大容疑者(22)など4人が逮捕された事件について、のべ262人の女性が被害に遭っていた実態が浮き彫りになり、波紋を広げている。
江端容疑者が街で女性に声をかけ、岸井容疑者が営業するバーで飲食。高額飲食代を請求し、支払いできない場合は性風俗店で働かせるというもの。あっせんした容疑者には女性たちの給料から15%が入る仕組みになっており、これまでに容疑者らに支払われた金額は7000万円を超えるとされている。また今回逮捕された大学生は2人だが、共謀した大学生らは約20人とみられており、事件や被害の全容はまだ解明されていない。
20日にAbemaTVで放送された『Abema的ニュースショー』では、現地取材の結果を踏まえ、この事件についてスタジオで議論が行われた。
東大卒の元日経新聞記者でありながら元セクシー女優で、現在は社会学者として活動する鈴木涼美氏は「逮捕された人たちが悪いことをしているのはもちろん」と前置きをしたうえで、自身のキャバクラ勤務経験を踏まえ「(今回は男性が加害者、女性が被害者となったが)男女双方に対して、夜の世界においては伝統的で、オーソドックスなシステム。問題視するならば、ホストクラブの売り掛けシステムと風俗店の関係を問題視すべき」と持論を展開。さらに「若い女性は、今お金を持っていなくてもカラダが資本になるため、後で稼いで返してくれる」と説明を加えると、若い女性に対しては「このようなシステムがあるということを知っておかないと、たまたま知り合いがこういう仕事をしていると紹介されたときに、それが“描かれた図”だということに気づくことができない」と警鐘を鳴らし、女性側も「知恵をつけるべきだ」と主張した。
その一方「(スカウト部隊は)全検挙すべき」としながらも「なぜ、被害女性は110番しなかったのか」と疑問を呈した文筆家の古谷経衡氏に続いて、株式会社アオイエ代表取締役CEOで常識にとらわれない新たな暮らしを推奨している青木大和氏(24)は「今回の件だけではなく、若い人たちが組織化してお金を巻き上げていたことは過去にもあるはず。SNSの台頭により、“半グレ”が民主化、一般化してきている事例の一つ」と独自の観点で私見を述べた。
一般女性の立場から「こういうことがあると、どこで、どうやって知ればいいのか?」と疑問を投げかけたのは、SNSコンサルタントとして活躍する生駒幸恵氏(32)。生駒氏は「私はマンガ『闇金ウシジマくん』を読んで勉強しましたが……」と周囲の笑いを誘うと「普通に生きている女の子が、夜の世界を勉強する知恵はない」と真顔で訴えた。
一連の議論に対して「みんなでやれば、という集団主義が嫌だな」と前東京都知事・舛添要一氏が漏らすと、その発言を遮るように鈴木氏は「ただ、女子大生もやっている」と今回の件が氷山の一角であると指摘。さらに「背後には怖い人たちがいるはず」と生駒氏が反社会勢力の存在をうかがわせると、MCを務める千原ジュニアは「風俗店とつながっているのであれば、風俗店の裏にはいるでしょうね」と応じた。
議論の冒頭、鈴木氏が「男女双方に対して、夜の世界においては伝統的で、オーソドックスなシステム」と語ったように、悪しき伝統の“闇”は深そうだ。
(C)AbemaTV
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