放射性物質の「ウラン」とみられる商品が国内のインターネットオークションで売買されていたことがわかり、警視庁が捜査に乗り出した。
捜査関係者によると2018年1月ごろ、原子力規制庁が「ウラン」と書かれた商品が国内のインターネットオークションに出品されているのを発見。警視庁は出品者と購入者を特定したうえ、ガラスケースに入れられた粉末状のものなど数グラムを押収。先月、原子力機構に鑑定を依頼したといい、商品は濃縮ウランを製造する過程で生じる「劣化ウラン」が含まれている可能性が高いということだ。
出品者の男性は任意の事情聴取に対し「海外のサイトで購入した」などと話しており、警視庁は原子炉等規制法違反の疑いも視野に捜査を進めている。
今回の事件について、核問題に詳しい共同通信社編集委員の太田昌克氏は「汚い爆弾というか“ダーティーボム”。核テロなどで一番心配されている、核分裂は起こさないけれど放射性物質を撒き散らすというもの。核テロに使われうると国際社会が懸念してきた物質にあたるので、非常に深刻な事件」と懸念。また、「出所がどこで、どういった人が出品したのか。ガラス管の中に入ったものだけなのかほかにも在庫を持っているのか。場合によっては、安全保障上の問題に直結してくる恐れがある。ここが捜査の焦点になっていくと思う」との見方を示した。
(AbemaTV/『けやきヒルズ』より)