31日、映画『麻雀放浪記2020』(4月5日全国公開、配給:東映)の国会議員試写会が行われ、その後の囲み会見に主演を務めた斎藤工白石和彌監督が登場した。

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 阿佐田哲也の250万部を超えるベストセラー小説「麻雀放浪記」が、和田誠監督の映画化以来35年ぶりに再び映画化。原作では1945年、戦後を舞台としているが、本作では“東京オリンピック”が中止となった2020年の世界を描く。1945年から2020年へとタイムスリップしたギャンブラー“坊や哲”を熱演する斎藤は、映画版『麻雀放浪記』を傑作の1つと公言しており、10年の歳月をかけて映画化を熱望、ついに念願がかなって実現した。

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 昨年公開した『孤狼の血』は第43回報知映画賞 邦画・作品賞や第61回 ブルーリボン賞 監督賞、第42回日本アカデミー賞 優秀作品賞、優秀監督賞などの賞を受賞。それ以外にも『凶悪』『日本で一番悪い奴ら』『彼女がその名を知らない鳥たち』『止められるか、俺たちを』などと、現在の日本映画界に一石を投じるような映画を多数発表しており、その攻めた作品作りで評価されている。

 そんな背景もあってMCより「白石監督の作品といえばスパイス強めで有名ですが、今回の作品も違ったスパイス効いていますね」と話を振られると、白石監督は「スパイス具合でいうと、(これまでの作品の中でも)一番辛口なので、大真面目に作ったのですけど、辛いのに慣れていない人は絶対お腹をくだすだろなと思いました」とコメント。賛否を呼びそうな「“東京オリンピック”が中止となった2020年」という舞台設定については「2020年のオリンピックがうまくいってほしいという思いを込めてこういう世界観にした」と語った。

 斎藤との初タッグについても「一緒にやっていて楽しかったし、今までで一番心強いパートナー」とコメントした。

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 今回の映画化に並ならぬ意欲を見せていた斎藤は、本作について「どう具現化することが原作に対してベストなのかということは個人的にかかげてきたんですけど、すごいとこに着地したなっていう。白石さんだから実現できた、着地できたと思います」とコメント。坊や哲は原作では20歳の童貞という設定だが、そのことについてMCからツッコまれると「あの時代の20歳って結構深みがあったと思うんですよね。だから20歳だということはそこまで意識しなかった。僕が演じている時点である種のファンタジーになっていると思う」とニヤリ。

 また、本作は20台のiPhoneを駆使して全編が撮影されている。その理由について、白石監督は「時代設定を少し未来にするにあたって、新しいガジェットの力が欲しいなと思って(使いました)」と説明。「誰もが映画を撮れる世の中になってきたと思うんですけど、iPhoneはiPhoneでの表現というか。僕らがやるからにはiPhoneの力だけではなく、ちゃんと映画としての表現は守ってやった。見て楽しい作品にはなっています」と自信をのぞかせた。

 なお、試写を見終えた「頭脳スポーツとしての健全で安全な麻雀を推進する議員連盟」(通称「スポーツ麻雀議連」)の秋元司議員は本作について「追加スパイスがいらないほどの激辛」と評していた。

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ストーリー

 主人公・坊や哲がいるのは、2020年の“未来”。なぜ?人口は減少し、労働 はAI(人口知能)に取って代わられ、街には失業者と老人があふれている…。そしてそこは“東京オリンピック”が中止となった未来だった…嘘か?真か!?1945年の“戦後”からやってきたという坊や哲が見る、驚愕の世界。その時、思わぬ状況で立ちはだかるゲーム“麻雀”での死闘とは!?

テキスト:堤茜子

写真:You Ishii

(c)2018「麻雀放浪記2020」製作委員会

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