プロ麻雀リーグ「大和証券Mリーグ2018」1月31日の1回戦で、U-NEXT Pirates・朝倉康心(最高位戦)が自身6勝目、チーム14勝目を挙げた。
対局者は起家から渋谷ABEMAS・多井隆晴(RMU)、U-NEXT Pirates・朝倉康心(最高位戦)、赤坂ドリブンズ・村上淳(最高位戦)、TEAM雷電・黒沢咲(連盟)。
試合前の時点で、4位のU-NEXT Pirates、5位の渋谷ABEMAS、6位のTEAM雷電までわずか46.5ポイントの中に3チームがひしめく大混戦。リーグ戦はすでに最終盤、ファイナル進出を争うチーム同士の直接対決ということもあり、朝倉は「残り試合で人生が変わるくらいの気持ち」と強い意気込みで対局に臨んでいた。
序盤は多井と村上がアガリ合戦を繰り広げ、朝倉は徐々に点棒をすり減らす我慢の展開。しかし朝倉の集中力は、極限状態でいつも以上に研ぎ澄まされていた。南1局では山に残り0枚の7筒が必要なイーペーコーを見切って、2枚残りの5筒待ちでリーチ。惜しくもアガリには至らなかったものの、完璧に場況を見通したかのような精度の“アサピンアイ”を発動し、「朝倉は本当にうまい」「見事」「さすがASAPIN」と視聴者をざわめかせた。
すると南2局の親番でチャンスが訪れた。自風の東をポンしてマンズのホンイツに向かうと、中盤にドラの白が重なって白・中待ちの跳満テンパイ。直後に黒沢の手から中が切り出され、東・中・ホンイツ・ドラ2の1万8000点で2着目に浮上した。さらに南3局、朝倉は5巡目に絶好のドラ6筒を引くと、3・6・9筒待ちの3面張でためらいなくリーチを宣言。ここで見事に3筒の一発ツモを決め、リーチ・一発・ツモ・ドラの8000点。トップを快走していた多井まで6200点差に詰め寄った。
迎えたオーラス。朝倉は序盤にソウズを鳴いてホンイツを狙うかと思いきや、ドラの9索が重なると2巡目に切った2筒を引き直して手に残す妙手を披露した。「チャンタでも逆転できる状況で、2筒の場況がよかったので」とまたしても鋭い読みを働かせ、狙い通りのチャンタで3筒待ちテンパイ。解説のEX風林火山・勝又健志(連盟)も「いやあ、このテンパイは見事ですよ」と唸る手順で、最後は親リーチをかけていた黒沢から中・チャンタ・ドラ2の8000点(+供託1000点)を直撃。土壇場でさらに鋭さを増した“アサピンアイ改”を炸裂させ、鮮やかなアガリで逆転トップを獲得した。
会心の勝利に、いつもは冷静沈着な朝倉も「今までで一番内容的にも納得できました。ちょっと鳥肌が立つくらい嬉しいです」と興奮気味。このトップでチームポイントはプラス圏に突入し、1月最後の対局を終えた段階でU-NEXT Piratesは3位に浮上した。チームとして残りは8戦、ファイナル進出がいよいよ視野に入ってきた。
【1回戦結果】
1着 U-NEXT Pirates・朝倉康心(最高位戦)4万4800点/+64.8
2着 渋谷ABEMAS・多井隆晴(RMU)4万2000点/+22.0
3着 赤坂ドリブンズ・村上淳(最高位戦)1万9900点/▲20.1
4着 TEAM雷電・黒沢咲(連盟)-6700点/▲66.7
※連盟=日本プロ麻雀連盟、最高位戦=最高位戦日本プロ麻雀協会、協会=日本プロ麻雀協会
◆大和証券Mリーグ2018 7チームが各80試合を行い、上位4チームがプレーオフに進出するリーグ戦。開幕は2018年10月、2019年3月に優勝チームが決定する。優勝賞金は5000万円。ルールは一発・裏ドラあり、赤あり(各種1枚ずつ)。また時間短縮のために、全自動卓による自動配牌が採用される。
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