プロ麻雀リーグ「大和証券Mリーグ2018」1月31日の2回戦で、赤坂ドリブンズ・鈴木たろう(協会)が自身10勝目を挙げてMリーグ2人目の2ケタ勝利を達成。チームとしても最多の23勝目となり、赤坂ドリブンズがファイナルシリーズ進出へ大きく前進した。
対局者は起家からTEAM雷電・瀬戸熊直樹(連盟)、赤坂ドリブンズ・鈴木たろう(協会)、渋谷ABEMAS・多井隆晴(RMU)、U-NEXT Pirates・小林剛(麻将連合)。多井のみ1回戦からの連闘となった。
対局前の時点で2位につけていた赤坂ドリブンズ。ファイナルシリーズ進出圏内とはいえ、鈴木自身が「混戦に巻き込まれそうで、チームがちょっと不安な感じになっていた」と語ったように、そのリードは決して大きくない。大混戦から抜け出すためになんとしてもトップが欲しい下位チームとの直接対決で、平均打点リーグ1位を誇る鈴木が持ち前の爆発力を存分に見せつけた。
開始直後、いきなりの卓トラブルで対局が一時中断。嵐の予感が漂うこの日の2回戦は、序盤から鈴木、多井、小林の3名による激しいアガリの応酬となった。鈴木の2度目の親番を迎えた時点で、満貫を2度アガった多井が4万8000点持ちのトップ目。「東場はしっくりこなかった」という3着目の鈴木だったが、親番の南2局で溜め込んだパワーを開放した。
9巡目に先制リーチをかけた鈴木は、小林からの追っかけリーチも意に介さず悠々と一発ツモ。リーチ・一発・ツモ・白の1万2000点(+供託1000点)で2着目に浮上すると、続く1本場では三・六・九万待ちで大胆にもフリテンリーチを敢行した。またしても小林から追っかけリーチが入る中、終盤に三万をツモる豪腕ぶりを披露して、リーチ・ツモ・タンヤオ・平和・ドラ・赤の1万8000点(+300点、供託1000点)。わずか2局で5万5000点持ちのトップ目に立ち、一気に試合の大勢を決した。
南2局3本場では、苦しい配牌から6筒と1筒を続けざまにポンした鈴木。他家からはホンイツや対々和に見える仕掛けだが、実際の手はバラバラの字牌だらけ。この局はアガることはできなかったものの、鈴木によると仕掛け自体は決してブラフではないという。試合後のインタビューでは「鳴きながら形を作っておけばテンパイできたり、アガれることもあるんですよ。もっと点棒が欲しかったので、本気でアガリにいってました。基本的に僕は全局アガりたいんですよね」と、いかにも全知全能の神“ゼウス”らしい欲張りな面を覗かせた。
KONAMI麻雀格闘倶楽部・佐々木寿人(連盟)に並ぶ鈴木の個人10勝目で、2位の座をがっちりとキープした赤坂ドリブンズは、リーグ戦の最終日に対局がない3チームのうちのひとつ。「4位でターゲットになるのは避けたい。欲張りにトップを取って、ファイナルに行けるように頑張ります」と、最多勝の“欲張りゼウス”は最後まで貪欲にトップを狙う姿勢を強調していた。
【2回戦結果】
1着 赤坂ドリブンズ・鈴木たろう(協会)4万7200点/+67.2
2着 渋谷ABEMAS・多井隆晴(RMU)3万4100点/+14.1
3着 U-NEXT Pirates・小林剛(麻将連合)3万1800点/▲8.2
4着 TEAM雷電・瀬戸熊直樹(連盟)-1万3100点/▲73.1
※連盟=日本プロ麻雀連盟、最高位戦=最高位戦日本プロ麻雀協会、協会=日本プロ麻雀協会
【1月31日終了時点での成績】
1位 EX風林火山 +358.0(72/80)
2位 赤坂ドリブンズ +168.0(72/80)
3位 U-NEXT Pirates +1.1(72/80)
4位 KONAMI麻雀格闘倶楽部 ▲44.1(74/80)
5位 渋谷ABEMAS ▲53.7(70/80)
6位 セガサミーフェニックス ▲187.5(72/80)
7位 TEAM雷電 ▲241.8(72/80)
◆大和証券Mリーグ2018 7チームが各80試合を行い、上位4チームがプレーオフに進出するリーグ戦。開幕は10月で翌年3月に優勝チームが決定する。優勝賞金は5000万円。ルールは一発・裏ドラあり、赤あり(各種1枚ずつ)。また時間短縮のために、全自動卓による自動配牌が採用される。
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