プロ麻雀リーグ「大和証券Mリーグ2018」2月7日の2回戦で、EX風林火山・滝沢和典(連盟)が役満・大三元をアガり、Mリーグ史上2位の記録となる7万9600点の大トップを獲得。鮮やかすぎる圧勝劇でチームのトータルポイントを+328.8まで伸ばし、2試合を残して首位のEX風林火山がファイナルシリーズ進出への当確ランプを点した。
2回戦の対局者は起家からセガサミーフェニックス・茅森早香(最高位戦)、EX風林火山・滝沢和典(連盟)、赤坂ドリブンズ・園田賢(最高位戦)、KONAMI麻雀格闘倶楽部・佐々木寿人(連盟)。佐々木と茅森が1回戦からの連闘となった。
1回戦で勝又健志(連盟)が2着に入り、滝沢がラスを引かなければファイナルシリーズ進出がほぼ確定する状況で迎えた2回戦。序盤は1回戦のトップで勢いに乗る佐々木が跳満、満貫を連発して抜け出す展開になったが、無理にトップを狙う必要のない滝沢に焦りの色はなかった。今やEX風林火山のチームカラーとなった堅実な麻雀に加え、東3局では滝沢自身の持ち味である端正な手作りを披露。佐々木と園田からリーチがかかる中、じっくりと手役を作ってツモ・一気通貫・赤・ドラの8000点(+供託2000点)をアガり、解説の土田浩翔(最高位戦)を「やっぱり滝沢の麻雀は美しい。もはや芸術です」と唸らせた。
この日の滝沢は満貫くらいでは終わらない。続く東4局、配牌で白が対子、発と中が1枚ずつという手を入れた滝沢は、4巡目で発を対子にすると三元牌を抱える姿勢を明確にした。白を鳴いた場面でも、1枚の中を残して大三元の可能性を維持。すると6巡目に中も対子になり、一気に大三元イーシャンテンの大チャンスに。しかし三元牌の高さに危険を感じたのか、7巡目に茅森が発単騎で七対子のリーチをかけ、発をポンできる可能性が消滅。大三元成就のためには発か中を自力で引くしかない場面だったが、ここで滝沢は発をあっさり暗刻にしてわずか9巡で大三元をテンパイした。
実況・解説陣に加えて視聴者も騒然とする状況で、なんと直後に下家の園田が中を引いてしまう。リーチの茅森の現物だったこともあり、園田は中を放銃。滝沢が役満・大三元で3万2000点(+供託1000点)を加点し、6万8000点の大トップ目に浮上した。クールに点数申告をする滝沢、そして痛恨の放銃に戦慄する園田の表情がカメラに抜かれると、視聴者からは「大三元!」「うわあああ」「出ちゃった」「タッキーかっこよすぎる」「伝説だ」といったコメントが殺到。解説の土田も「美しいの極地に行ってしまいましたね。恐ろしい……」とため息を漏らすほかなかった。
圧倒的優位を築いた滝沢は南2局1本場の親番でも3・6・9索の3面張をあっさりツモり、リーチ・一発・ツモ・平和・ドラ・赤の1万8000点(+300点、供託1000点)でさらにリードを広げた。最終的には7万9600点という大トップを獲得し、+99.6ポイントを首位のチームに加算。Mリーグで華麗な復活を遂げたイケメン雀士が最高のパフォーマンスを見せ、EX風林火山のファイナルシリーズ進出を決定づけた。
試合後のインタビューでは、冷静沈着に見えた大三元の場面を「緊張しましたよ。『わあ、テンパっちゃった』ってざわざわしてました」と笑顔で振り返った滝沢。さらに個人成績で渋谷ABEMAS・多井隆晴(RMU)と32.1ポイント差の2位に浮上したことを知らされると、リーグ最終日となる2月12日の渋谷ABEMASとの直接対決について「出たいです。多井さんにも出てきてほしいですね」と“挑戦状”を叩きつけて出場を志願。自身の大活躍でチームのファイナルシリーズ出場が安泰になったことで、個人成績トップの座にも意欲を見せていた。
【2回戦結果】
1着 EX風林火山・滝沢和典(連盟)7万9600点/+99.6
2着 KONAMI麻雀格闘倶楽部・佐々木寿人(連盟)3万5500点/+15.5
3着 セガサミーフェニックス・茅森早香(最高位戦)1万200点/▲29.8
4着 赤坂ドリブンズ・園田賢(最高位戦)▲2万5300点/▲85.3
※連盟=日本プロ麻雀連盟、最高位戦=最高位戦日本プロ麻雀協会、協会=日本プロ麻雀協会
【2月7日終了時点での成績】
1位 EX風林火山 +328.8(78/80)
2位 赤坂ドリブンズ +68.9(78/80)
3位 渋谷ABEMAS +55.4(74/80)
4位 KONAMI麻雀格闘倶楽部 +28.0(78/80)
5位 U-NEXT Pirates ▲66.9(76/80)
6位 セガサミーフェニックス ▲145.4(76/80)
7位 TEAM雷電 ▲268.8(76/80)
◆大和証券Mリーグ2018 7チームが各80試合を行い、上位4チームがファイナルシリーズに進出するリーグ戦。開幕は2018年10月、2019年3月に優勝チームが決定する。優勝賞金は5000万円。ルールは一発・裏ドラあり、赤あり(各種1枚ずつ)。また時間短縮のために、全自動卓による自動配牌が採用される。
(C)AbemaTV