千葉県野田市で小学4年生の栗原心愛さん(10)が死亡した事件で、逮捕された母親のなぎさ容疑者が「娘から助けを求められても夫の暴行を止められなかった」などと話していることがわかった。
なぎさ容疑者は先月24日、自宅で夫の勇一郎容疑者とともに心愛さんにけがをさせた疑いが持たれている。捜査関係者によると、なぎさ容疑者は「娘から助けを求められても夫の暴行を止められなかった」「夫にお前は娘のしつけができない無能なやつだと言われた」と話していることが新たにわかった。警察は、なぎさ容疑者が直接的な暴力はしていなかったものの、暴行を止めなかったとみて捜査を進めている。
警察庁が7日に公表した平成30年の「犯罪情勢」によると、全国の警察が虐待の疑いで児童相談所に通告した18歳未満の子どもが初めて8万人を超えたという。減るどころか増加傾向にある児童虐待について、遺伝子解析ベンチャービジネスを展開するジーンクエスト代表取締役社長の高橋祥子氏は「気になる研究結果がある」と説明する。
ブリティッシュコロンビア大学などの研究チームが去年10月に発表した論文によると、「虐待を受けた子どもは、そのトラウマを示す科学反応が遺伝子の中に刻み込まれている可能性がある」という。児童虐待の被害者を含む成人男性34人の精子細胞を調査したところ、虐待を受けたことのある男性のDNAの12の領域にトラウマによる影響の痕跡があったということだ。「トラウマが世代間で受け継がれるのか」という疑問解明への第1歩になると期待されている。
高橋氏によれば、その痕跡は「二重らせんの塩基配列自体は変わらないが、化学基が修飾することによって変化する。くっつくようなイメージ」で、食生活や運動などの外部環境で変化するのだという。ラットを使った実験で、塩分を多く摂った個体は高血圧になりやすいが、その情報が遺伝子に修飾され、生まれてくる子どもにも血圧が上がりやすい体質が遺伝する可能性があるということだ。
では、遺伝子情報から虐待がわかると今後どのようなことが期待されるのか。高橋氏は「遺伝子の修飾を調べることで“痕跡”になるので、犯罪の証拠になるかもしれない。裁判所で虐待があったことの証拠として遺伝子情報が使われるかもしれない」との見方を示した。
(AbemaTV/『けやきヒルズ』より)






