プロ麻雀リーグ「大和証券Mリーグ2018」2月8日の1回戦で、絶好調の渋谷ABEMAS・多井隆晴(RMU)が3連勝かつ9連続連対となる自身10勝目、チーム23勝目を挙げた。
対局者は起家から渋谷ABEMAS・多井隆晴(RMU)、セガサミーフェニックス・近藤誠一(最高位戦)、U-NEXT Pirates・朝倉康心(最高位戦)、TEAM雷電・瀬戸熊直樹(連盟)。
多井は1月10日にラスを引いて以後、8試合に出場して5勝2着3回と、すべての試合でトップまたは2着と連対を確保し続けてポイントを荒稼ぎ。ファイナルシリーズ出場ボーダーを争っていた渋谷ABEMASのリーダーとして最高の働きを見せ、試合前の時点でチームを+55.4の3位にまで引き上げていた。この日の対戦相手は5位のU-NEXT Pirates、6位のセガサミーフェニックス、7位のTEAM雷電とファイナルシリーズ進出に向けてもう後がないチームばかり。すべての選手が死に物狂いでトップを奪いにくる中でも、多井の安定感は微塵も揺らぐことはなかった。
東1局、最初の親番から多井は「最速最強」の異名にふさわしい麻雀を展開した。序盤に役牌の中を鳴いてイーシャンテンとすると、次巡で他家に先んじて難なくテンパイ。この手をさらりとツモり、中・ドラ2の6000点でまずは一歩リードした。続く1本場でもツモが効いて7巡目に先制リーチ。下家の近藤がメンゼンのホンイツで押し返して追っかけリーチをかけるも、ここでも多井がツモアガリ。リーチ・ツモ・平和の3900点(+300点、供託1000点)でじわりじわりとリードを広げていった。
多井の連荘は止まらない。東1局2本場では、7巡目にドラの2筒のカンチャン待ちで迷わずリーチ。手作りの速度で他家を圧倒し、親の先制リーチで問答無用に圧力をかけていく。僅差でファイナルシリーズ進出を争う渋谷ABEMASを走らせるわけにはいかないU-NEXT Piratesの朝倉が気迫のリーチを宣言するも、ここで切り出したのはドラの2筒。多井が朝倉から直撃を奪い、リーチ・ドラ・赤の7700点(+600点)をさらに加点した。
最序盤で4万4500点まで点棒を伸ばした多井は、ここから鉄壁の守備力を発揮。手格好が悪いと感じると無理に勝負はせず、徹底的に放銃を回避してリードをキープしていった。そんな多井がふたたび攻勢に転じたのが、朝倉の満貫ツモの親被りで一気に場が平たくなった南2局。2900点差の2着目につける親の近藤に好配牌が入る中、多井は自風の北を1枚目でポン。全速力で近藤の親番を終わらせにかかった。しかし近藤はわずか5巡で南と4索のシャンポン待ちリーチ。それでも多井は「安牌ゼロでした。もうあのまま行こうと思って」とリスク覚悟で攻めを貫いて7巡目にテンパイし、両面の四・七万待ちかシャンポンの四・五万待ちかの2択でシャンポン待ちを選択した。するとこのチョイスが大的中し、2巡後にラス牌の五万を見事にツモアガリ。点数以上に大きい北・赤の2000点(+供託1000点)で近藤の親番を終わらせ、トップを堅持したまま局を進めた。
南4局では、ラス目だった親の瀬戸熊が近藤との息詰まるリーチ対決を制して満貫をアガり、多井と2900点差の2着目に浮上。続く1本場でも瀬戸熊から先制リーチがかかる中で一度は迂回した多井だったが、有効牌を立て続けに引いて三万待ちのテンパイ。すると最終盤に瀬戸熊からこの三万が放たれ、タンヤオ・ドラ・赤2の8000点(+300点)と自身のアガリで2時間超の大熱戦に終止符を打った。
試合後のインタビューでは、多井は精魂尽き果てたようなかすれ声で「クタクタでした。みなさんの気迫が怖くて。本当に紙一重でした」と大一番を振り返った。他の選手たちが必勝を期して猛然と勝負をかける中、最序盤に築いたリードを最後まで守り抜いての9連続連対に、中継の解説を務めた内川幸太郎(連盟)は「まったくスキがない。パーフェクトゲームです」と攻守にメリハリの効いた多井の麻雀を絶賛。濃密な対局を見守った視聴者からも「強すぎる」「スーパーエース」といったコメントが相次いでいた。
【1回戦結果】
1着 渋谷ABEMAS・多井隆晴(RMU)4万3000点/+63.0
2着 TEAM雷電・瀬戸熊直樹(連盟)2万1600点/+1.6
3着 U-NEXT Pirates・朝倉康心(最高位戦)2万600点/▲19.4
4着 セガサミーフェニックス・近藤誠一(最高位戦)1万4800点/▲45.2
※連盟=日本プロ麻雀連盟、最高位戦=最高位戦日本プロ麻雀協会、協会=日本プロ麻雀協会
◆大和証券Mリーグ2018 7チームが各80試合を行い、上位4チームがファイナルシリーズに進出するリーグ戦。開幕は2018年10月、2019年3月に優勝チームが決定する。優勝賞金は5000万円。ルールは一発・裏ドラあり、赤あり(各種1枚ずつ)。また時間短縮のために、全自動卓による自動配牌が採用される。
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