将棋の順位戦A級の最終9回戦が5局一斉に行われ、豊島将之二冠(28)が久保利明九段(43)に133手で勝利し、8勝1敗の成績で佐藤天彦名人(31)への挑戦権を獲得した。
豊島二冠は今年度、棋聖で初タイトルを獲得、続いて王位を奪取し一気に二冠に。名人を含む三冠を目指し、3期連続で名人の座についている佐藤名人との七番勝負に臨むことになった。
豊島二冠は初のA級参戦となった昨期、最終戦まで挑戦権争いで久保九段(当時王将)とトップを並走しながらも、最終戦でともに敗れたことで史上最多6人のプレーオフに。6人の中で順位が最も低かったことから、変則トーナメントのプレーオフでは3連勝して勝ちあがったものの、4回戦で羽生善治九段(当時竜王)に敗れて、涙を飲んだ。
その実力と高勝率ながら、なかなかタイトルに縁がなかったものの、今年度は7月に棋聖で初タイトルをつかむと、9月には王位も奪取。8つあるタイトルのうち、複数冠は渡辺明二冠と2人だけになっている。
今期の順位戦A級では、7回戦終了時点まで広瀬章人竜王、羽生九段と3人が6勝1敗で並ぶ三つ巴の争いとなっていたが、8回戦で羽生九段との直接対決に勝利。最終9回戦でも、久保九段に勝利し、念願の名人挑戦を掴み取った。対局後は「挑戦するのは今年の目標だったので、決まってよかったです。挑戦を争えていることがすごくありがたかったです。(佐藤名人は)奨励会から戦ってきた相手で、名人戦の舞台で戦えるのは感慨深いです」と淡々と語った。
挑戦を受ける佐藤名人は、2016年度に羽生名人(当時)から奪取し、その後は連続防衛を果たして3期連続で名人の座を守っている。
(C)AbemaTV