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(これまでになかった新鮮な顔合わせ。こうした刺激はファンも求めているものだろう)

 3月10日、プロレスリング・ノアが新体制となって初のビッグマッチを横浜文化体育館で開催する。オーナー企業が変わり、旗揚げ以来の団体ロゴ、マットの色もここから一新する。

 現在、シングル王座GHCヘビー級のベルトを巻いているのは清宮海斗。23歳の若いチャンピオンは、3.10横浜大会で丸藤正道を相手に防衛戦を行なう。丸藤は旗揚げメンバーであり他団体でも活躍してきた、ノアの“顔”というべき選手だ。新たなノアの船出にあたって、果たしてどちらが舵取りをするのか。それを決める重要なタイトルマッチ。清宮にとっては、キャリアも実力も知名度もある丸藤という壁を乗り越えられるかどうかの試練。真のトップへの厳しい関門となる。

 前哨戦での清宮は、丸藤の“一点集中攻撃”に苦しめられてきた。2月24日の後楽園大会ではタッグマッチで腕を徹底的に攻められ、丸藤の新技パーフェクト・キーロックでギブアップ負けという屈辱を味わっている。そこで清宮は、急きょ“IQレスラー”桜庭和志に弟子入り。決戦直前(3月6日)の公開練習の場にMMAジム「ナチュラル9」を選び、桜庭に寝技の指導を受けた。

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(両腕を固める新バージョンのチキンウィング・フェースロックを桜庭に伝授された清宮)

 トレーニングでは様々なシチュエーションへの対処法を桜庭が伝授。また清宮はマスコミに練習を公開する前に、パーフェクト・キーロック対策も教わったという。さらに得意技である変型チキンウィング・フェースロックにさらに改良を加え、ヒザ蹴りのフェイントから両腕を固める「これが決まったら逃げられない」パターンにも取り組んだ。普段とは違う練習、技術に、清宮は大きな刺激を受けたようだ。

 「関節技はポイントを覚えればいいんで。大事なのは腕とか足の力じゃなくて、背筋も使って全身の力で取る」という桜庭の指導に「今までは力づくでした」と清宮。今後も練習を続け、試合でこれまでのノアにない新しい要素を出していきたいという思いもあるようだ。

 現在はグラップリング団体戦「QUINTET」が主戦場となっている桜庭も、プロレスの試合も続けたいという。これをきっかけに桜庭のノア参戦を期待するファンもいるはず。何よりもまず、清宮と桜庭という顔合わせ自体がすこぶる新鮮だ。ロゴやマットの色以上に重要なのは、こうした新しい刺激をファンに提示していくことだろう。

 今までとは違う「性格の悪さ」を出して王者を傷めつけてきた丸藤。対する清宮はタイトルマッチ本番で何を見せるのか。そしてノアという団体がどんな“新しさ”を感じさせるか。重要な興行、重要な一戦になるのは間違いない。

文・橋本宗洋

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