御嶽海には「興味がない」と即答した貴景勝 その理由が“いかにも”貴景勝らしく、快進撃の要因を物語っていた
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 平成三十年の大相撲九州場所では13勝2敗で幕内優勝を果たし、今年一月に行われた初場所で大関取りに挑むも、11勝4敗。技能賞を獲得したが、大関昇進は見送りとなった関脇の貴景勝(千賀ノ浦)。10日からエディオンアリーナ大阪(大阪府立体育館)で行われる大相撲三月場所を前に取材に応じ、自己最高位で臨んだ初場所の心境と三月場所への意気込みを語った。

 「初めての関脇ということもあり、少し不安はありました。小結は前半戦に上位戦が組まれるが、関脇は終盤戦。今までと逆のパターンになることで、場所中の感覚が狂うのではという不安があった」

 そのため「順番は違っても、やる相手は同じ」と言い聞かせて場所に臨んでいたことを明かした貴景勝だが、四日目の小結・御嶽海(出羽海)との一番で早々に初黒星を喫してしまう。「ペース配分をしたら一日も勝てないし、そんな余裕もなかった」と必死だった当時の心境を振り返ると「気持ちを上下させない」ことを立ち直りのポイントに挙げ、「嬉しくても、悔しくても平常心を貫いた。15日間戦えるスタミナは限られてくる。一喜一憂してしまうと肉体的な疲労よりも、精神的な負担の方が大きくなってしまう」とその理由を語った。

 とはいえ、割り切れない黒星もあるだろう。そのことについては、いかにも貴景勝らしい言葉で「自分にとって良くないことが起こった時にこそ、精神の成長ができる。仮にそういったことが起こったら、『1年後くらいに精神的に成長するための材料なんだ。これを乗り越えたら、また一つ上に行くことができる』と言い聞かせるようにしています」と答える。つまり「自分の性格をよく知ることが重要」だとも。

 さらに昨年の名古屋場所で幕内優勝を果たし、初場所四日目で貴景勝に初黒星をつけた小結の御嶽海(出羽海)に関して聞くと「興味がない」と即答。そのあと少し間をおいて「興味が無いと言えば(御嶽海に)失礼な言い方になるけど……他の人について色々と思うこと自体が精神のブレ」と真意を説明。一方では「(御嶽海は)4つ年上だけど、ほぼ同期生。向こうが先に優勝したときは、早く同じ景色が見たいと思っていた」と率直な心境を述べた。

 間近に迫った三月場所への意気込みを問われると「(力士になって)最高の喜びの一つでもあった十両を決めたのも、怪我をしたのも大阪。2019年の大阪場所も最高だったと言えるように、いい相撲を取りたい」と笑顔で答えた。期待と注目が集まる大関取りについては「もちろんなりたいけど、順番を間違わないことが大事。ただ勝ちたいに走らず、勝つためには何をすべきかを考える。やるべきことを淡々とやるだけ」と一転して表情を引き締めた。

 あくまでも自分が信じる「相撲道」を、ブレずに黙々と突き進む貴景勝。2019年大阪場所の結末は「最高」となるのか、注目だ。

(C)AbemaTV


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