プロ麻雀リーグ「Mリーグ2018 朝日新聞ファイナルシリーズ」3月10日の1回戦で、KONAMI麻雀格闘倶楽部・前原雄大(連盟)が役満・大三元を、わずか6巡で達成した。ファイナルシリーズの役満は前原が初で、Mリーグでは3回目。
局面は南1局1本場。対局者は起家から、KONAMI麻雀格闘倶楽部・前原雄大(連盟)、渋谷ABEMAS・多井隆晴(RMU)、赤坂ドリブンズ・園田賢(最高位戦)、EX風林火山・二階堂亜樹(連盟)。
親番・前原の配牌は白、中、1索がトイツで発が1枚、メンツはひとつもなかった。第1ツモで発を持ってきて、三元牌すべてをトイツにした前原は、多井が第1打で切った発をポン。さらに二階堂が第1打で切った1索をポン。第2ツモで白をツモってきて暗刻にすると、園田が3打目に切った中をポンして3索単騎待ちで大三元をテンパイ。
第3ツモで1筒を持って来たところで3索と入れ替えると、前巡に1筒を切っていた多井が続けて1筒を切ったことで大三元を成就。ツモ3回と3副露、わずか6巡という圧倒的なスピードで4万8000点(+300点)を加点した。
解説の内川幸太郎(連盟)も「前原さんは年に1回天和をアガるというんですが、それだけ稽古を積んでいるということ。実際(同団体の対局でも)要所要所で役満をアガっているとはいえ、この大事な場面で、自身のチームが苦しい立場にいる時に」と“麻雀界のゴジラ”とも称される圧倒的な破壊力に感嘆した。
前原は9日の1回戦で、カンした時にリンシャン牌を取らずに打牌してしまったことで少牌(手牌が13枚より少なくなってしまう状態)してしまいアガリ放棄となり、試合も箱割れ(点棒が配給原点を割ること)するラスを食らっていた。
対局後、少牌に関して「私のエラー。私のミスでゲームを壊してしまって大変申し訳なく思っております。私個人ということではなく、Mリーグファン、KONAMIファンに大変申し訳なく思っております。気持ちを切り替えて次の戦いに向かいたいと思います」と深く頭を下げていた。
チームの精神的支柱でもあるがゆえ、自身こそが一番心苦しかったことは想像に難くない。その翌日に先発し、役満をアガるという結果で名誉挽回した。
ちなみにレギュラーシーズンの初役満はKONAMI麻雀格闘倶楽部・佐々木寿人(連盟)の国士無双だったが、チームはこの役満をきっかけに、最下位からV字回復し、ファイナルシリーズへ進出した。
そしてファイナルシリーズの初役満は前原の大三元。全24戦中12戦を終了し、チームは▲54.7で現在3位だが、この大三元が復活の狼煙となり得るのか。後半戦に注目だ。【福山純生(雀聖アワー)】
【3月10日終了時点での成績】
1位 赤坂ドリブンズ +290.0(12/24)
2位 EX風林火山 +205.8(12/24)
3位 KONAMI麻雀格闘倶楽部 ▲54.7(12/24)
4位 渋谷ABEMAS ▲192.6(12/24)
※レギュラーシーズンポイントは半分持ち越し
◆Mリーグ 7チームが各80試合を行い、上位4チームがファイナルシリーズに進出するリーグ戦。開幕は2018年10月、2019年3月に優勝チームが決定する。優勝賞金は5000万円。ルールは一発・裏ドラあり、赤あり(各種1枚ずつ)。また時間短縮のために、全自動卓による自動配牌が採用される。「Mリーグ2018 朝日新聞ファイナルシリーズ」は毎週土日計8日間(3月16日・17日を除く)、 1日3試合、 合計24試合を行う。
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