昨年の高校横綱に中学横綱、体重200キロ超の大器など、今場所、初土俵を踏んだ新弟子たちは逸材揃いだ。彼らは春場所2日目から始まった前相撲の土俵に上がり、力士としての第一歩を踏み出した。
ひと際、注目を浴びているのは埼玉栄高出身で、昨年の高校横綱に輝くなど高校5冠のタイトルを獲得した斎藤大輔だ。高校卒業後、八角部屋に入門し、北の若という四股名を名乗る18歳は、189センチの長身に145キロという均整の取れた体つきで運動神経も抜群。“プロデビュー”戦はもろ手突きから長いリーチを生かした突っ張りで相手を一蹴した。素材的には間違いなく横綱、大関クラスだが、潜在能力の高さに加え“イケメン男子”でもあり、スター性も兼ね備える。出世とともに人気も上昇すること間違いなしだ。
昨年の中学横綱で177センチ、150キロの中川部屋の吉井虹も、頭をつけながら右上手を取って寄り切り、まずは順調な力士人生のスタートを切った。
横綱白鵬が自らスカウトした鳥取城北高出身の當眞嗣斗も200キロを超える巨体を生かした突き押しで相手を圧倒。沖縄県出身で小学生時代に白鵬から声を掛けられたことがきっかけで宮城野部屋の門を叩いた。入門早々、横綱からは減量を命じられ、新弟子検査時には211キロあった体重は多少、減っているという。
春場所の前相撲は2勝した者から勝ち抜けていき、先に勝ち抜いた順から一番出世、二番出世として出世披露が行われ、翌場所の序ノ口の番付に反映される。春場所は俗に“就職場所”と言われ、かつては160人もの新弟子が入門した年もあったが今年は40人。それでも将来が楽しみなホープがひしめき、さながら少数精鋭といったところだ。
横綱稀勢の里が土俵を去り世代交代も進む角界だが、今場所の新弟子は次世代スター候補が目白押し。国民的人気を担う力士もこの中から現れるかもしれない。
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