将棋の順位戦B級1組の最終戦となる13回戦が3月14日に行われ、渡辺明二冠(34)が斎藤慎太郎王座(25)を87手で下し、12戦全勝で来期のA級復帰を決めた。B級1組の12戦全勝は、1997年度の丸山忠久九段(当時七段)以来、21年ぶり史上2人目の快挙。
 渡辺二冠は昨期A級からB級1組に降級したが、今期は絶好調。1つも星を落とすことなく“鬼の棲家”と称される強豪ぞろいの同組で、12戦全勝と圧巻の強さを見せつけた。この日対戦した斎藤王座をはじめ、過去にA級やタイトルを経験した棋士がずらりと並ぶ中での全勝だけに、タイトル21期を誇りながら、まだ一度もない名人挑戦を目指す上で、来期に期待を持たせる快進撃だった。全勝をかけた対局でも、若きタイトルホルダー相手に、持ち時間を2時間33分も残す完勝だった。