12日にコカインを使用した麻薬取締法違反の疑いでピエール瀧容疑者(51)が逮捕されたことを受け、芸能界で同容疑者が出演する作品の公開中止や見合わせが相次いでいる一方、容疑者の起訴を前に進む“自粛騒動”に賛否の声が上がっている。
「まるで高度に発達した北朝鮮のようだ……」
17日に放送された「Abema的ニュースショー」で、日本社会の反応に対して疑問を呈したのは「日本を蝕む『極論』の正体」などを著書に持つ文筆家の古谷経衡氏(36)だ。
古谷氏は「末恐ろしくなったのは、法道徳、道徳、道徳倫理を犯したヤツは全部排除するという現在の流れ。これは高度に発達した北朝鮮のようだと思う」と話して懸念を示すと、番組が取材した街の声で「制裁が必要」と答えた人がいたことについて「制裁を科すのは裁判官の務め。それをやってしまうとリンチになってしまう」と懸念を訴えた。
この件について意見を求められた東京大学教授で歴史学者の本郷和人氏(58)は「論文に書くことはできない」と前置きをすると「豊臣秀吉、羽柴秀吉が本能寺の変の後で“中国大返し”を行い、すごい勢いで岡山から京都まで駆けつけて、明智光秀を討って天下人になったのだが……」と歴史上の人物を例に挙げて「秀吉は薬をやっていたのではないか」と持論を展開した。さらに本郷氏は「秀吉は煙管を手放さなかったが、その中に何が詰まっていたのかは分からない。薬だった可能性もある。秀吉は60歳で突然衰弱した。それも薬の副作用だったのではないか。あくまでもそれは“言わないレベルの話”であって、歴史の中に薬は姿を現していたのかもしれない」と続けた。
一方、東京大学大学院卒で元日経新聞記者の作家である鈴木涼美氏(35)は「図書館やCDショップ、映画など、本当に品行方正でまったく法を犯したことのない人の作品しか目に入れないで生きることはおそらく不可能。それが分けられない人が多いことは問題。また今回の瀧容疑者に関しては薬物であり、“被害者無き犯罪”と言われる薬物であからさまに誰かを傷つけたわけではない。CMから降ろしたいというスポンサーの決定は自由だが」とスポンサーの対応には理解を示しつつも、芸能に関する“自粛騒動”には疑問を呈していた。
(C)AbemaTV
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ピエール瀧容疑者に関する日本の“自粛騒動”に文筆家が懸念
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