乃木坂46の衛藤美彩が19日、東京・両国国技館にて『乃木坂46 衛藤美彩 卒業ソロコンサート』を開催した。
2011年に乃木坂46の1期生として活動を始め、握手会を中心に地道に人気を獲得してきた衛藤は、2013年11月リリースの7枚目シングル『バレッタ』で初めての選抜入りを果たし、2015年10年に発売された13枚目シングル『今、話したい誰かがいる』では、初の10福神およびフロントメンバーに選出された。ファンからは「みさ先輩」「みさみさ」などの愛称で親しまれ、全15回の選抜メンバー、その内10回は福神メンバーとして活動を行うなど、グループの中心メンバーとして活躍した。
衛藤の卒業ソロコンサートを見届けるべく、会場には満員8,000人のファンが集結。チケットの当選倍率は10倍に達した。衛藤をフィーチャーしたVTRがオープニングで流れた後、ライブは『狼に口笛を』からスタート。イントロではギターの調べに乗せて、美しい歌声を場内に響かせていた。続けて衛藤は『おいでシャンプー』『自惚れビーチ』といったアップテンポなナンバーを連投して、会場の温度を高めていく。最初のMCで衛藤は「みなさん、ソロコンサート始まりました! 乃木坂46です。衛藤美彩です。すごい、真っ赤なサイリウムが。ありがとうございます。今日は最高の思い出作りにきたもんね?」とオーディエンスとのコミュニケーションを図る。それから彼女は「今日は時間が許す限りたくさんの曲を歌っていきたい」と客席に向かって笑顔を見せた。
続いてのブロックでは『せっかちなかたつむり』『シークレットグラフィティー』『思い出ファースト』が連続で披露された。パフォーマンス後のMCで衛藤は「今聴いていただいた3曲はみなさんご存知の通り乃木坂の人気のユニット曲なんですけど、どうでしたか? 1人でやるのは本当に新鮮だったんですけど。『せっかちな』は1期生の鉄板曲で、『シーグラ』はひなちま(樋口日奈の愛称)のセンター曲で、2期生も多く参加する大好きな曲で。『思い出ファースト』は個人的に大好きな曲で、いつかライブでやりたいと思ってた」と話す。しかし『思い出ファースト』をパフォーマンス中、一部歌詞を間違えしまったことを受け、衛藤は「歌詞間違えちゃった。ごめん、3期生のみんなごめんよ。(秋元)真夏とか(桜井)玲香とかとカラオケ行ったときは完璧だったんだけどな」と笑顔で謝罪していた。
そんなMCののち、パフォーマンスされたのは人気曲『無口なライオン』、そして衛藤自身がユニットメンバーとして参加した『立ち直り中』。透明感のある歌声で客席を酔わせた後、衛藤は黒のセクシーな衣装に着替えて『意外BREAK』をクールに披露。それから彼女は6人のダンサーを従えて、『女は一人じゃ眠れない』『欲望のリインカーネーション』といったナンバーを熱く届けた。
乃木坂46での衛藤のこれまでの歩みをまとめた映像が流された後、彼女は赤のドレスにお色直ししてステージに再登場。それから彼女はアコースティックギターの伴奏のみで『ひと夏の長さより』を、ピアノの音色に乗せて『今、話したい誰かがいる』を優しく歌い上げた。続けて、しっとりとしたバンドアレンジが施された『シンクロニシティ』『サヨナラの意味』が歌われると、会場はなんともロマンティックな空間に。衛藤は切なげな表情を浮かべながら歌い終えると、「今のブロックを歌ってようやく乃木坂を卒業するんだなって実感が沸いてきて」と心境を告白していた。
衛藤は「卒業を考え出したのは去年、25歳になったあたりなんですけど、さまざまな巡り合わせで今日、両国国技館という神聖な場所で(卒業コンサートを)やらせていただけて」「ソロコンサートをするというのは、大きくは掲げてはいなかったですけど自分の中の目標というか夢の1つで。今日この場所でソロコンサートをやれてるというのは、スタッフのみなさんに感謝しかありません。ありがとうございます」と改めて感謝を伝える。それから衛藤は「アンダーだった頃、”私こんなに辛かったんです””こんなに悔しい思いをしてきたんです”っていうのはあんまり好きじゃないんですけど、ちゃんとお話ししなくちゃなって。やっぱり(アンダーの)あの期間は自分にとって苦しくて、まさかあの時の自分が、こうやって今、卒業ソロコンサートをやれるなんて思ってなかったし、本気で何度も辞めようと思ったんですけど、ファンのみなさんが握手会でたくさん支えてくれたから今の私があると思っています」と涙で言葉を詰まらせながら語る。その後、彼女はアンダーメンバーの心情を描いた『アンダー』を心を込めて歌唱した。そして最後に「18歳で大分から上京してきて、そんな私を今日まで応援してくださって本当にありがとうございました。みなさんがいなかったら本当にここまでくることはできなかった」とファンに感謝の気持ちを伝えてから『私のために誰かのために』をしっとりと届け、ステージを後にした。
アンコールの声援を受けて衛藤は、これまでと打って変わってTシャツにジーンズというラフな出で立ちで再びステージに登場した。すると彼女は「アンコールなんですけど、スペシャルゲストが」と切り出し、生田絵梨花と桜井の2人をステージへと呼び込む。ユニット曲『雲になればいい』が披露されると、オーディエンスは3人の美しい歌声を聴きながら、心地好さそうに体を揺らしていた。続けて披露された『悲しみの忘れ方』では乃木坂46のメンバーが、1期生、2期生、3期生と順々にサプライズで舞台に登場。曲が終わると衛藤は「みんなありがとう。えー、どうしよう。なんか、こうやってみんなの顔見ると、一緒にここまでやってきたんだなっていうのをより実感した」と涙を浮かべながら感謝の気持ちを伝えていた。『乃木坂の詩』が披露された後は、それぞれとハグを交わすなどでステージを去るメンバーを見送る。最後に熱い抱擁を交わした、秋元には衛藤自らが「ズッキュンして、ズッキュン」と”必殺技”をリクエストして会場を沸かせていた。そしてアンコールの最後には、秋元康が書き下ろしたという衛藤初のソロ曲『もし君がいなければ』が披露された。曲を歌い終えると、彼女は「みなさんアンコールも含め、今日は1日私のためにここに来てくださって、これまで私を応援してくださって本当にありがとうございました」と集まったファンに感謝を伝えステージを後にした。なお、『もし君がいなければ』は、4月17日リリースの乃木坂46の4枚目オリジナルアルバム『今が思い出になるまで』に収録される。
アンコールは終了となったが、観客は衛藤を求め続け、ダブルアンコールへ。披露された『ロマンスのスタート』では「乃木坂」「最高!」「みさちゃん」「最高!」とファンとのコールアンドレスポンスで場内の一体感を生み出し、ラストまで一気に駆け抜けた。最後に衛藤は「みなさんダブルアンコールありがとうございます! うれしい! 急いで口紅塗りました(笑)」と弾ける笑顔を見せてから、「この先、卒業して何が正しいのかはわからないですけど、自分が正しいと思った道に私は進んでいくので」「これからも私は活動を続けていくので私の応援と、私の愛した乃木坂46をみなさんこれからも愛してくれると本当に幸せです。私も愛し続けます!」と客席に呼びかけて、卒業コンサートを終えた。
衛藤は今月31日に大阪・インテックス大阪にて行われる全国握手会を最後に乃木坂46を卒業する。
■衛藤美彩(乃木坂46)『乃木坂46 衛藤美彩 卒業ソロコンサート』セットリスト
M00 Overture
M01 狼に口笛を
M02 おいでシャンプー
M03 自惚れビーチ
M04 せっかちなかたつむり
M05 シークレットグラフィティー
M06 思い出ファースト
M07 無口なライオン
M08 立ち直り中
M09 意外BREAK
M10 女は一人じゃ眠れない
M11 欲望のリインカーネーション
M12 ひと夏の長さより
M13 今、話したい誰かがいる
M14 シンクロニシティ
M15 サヨナラの意味
M16 アンダー
M17 私のために誰かのために
EN01 雲になればいい(生田絵梨花、桜井玲香が参加)
EN02 悲しみの忘れ方(乃木坂46)
EN03 乃木坂の詩(乃木坂46)
EN04 もし君がいなければ
WEN01 ロマンスのスタート