横綱・白鵬(宮城野)が、横綱・鶴竜(井筒)を下手投げで下し、3場所ぶり42度目の優勝を全勝で決めた。全勝優勝は、自身の記録を更新する15度目。平成の大横綱が、まさに無双の強さで平成最後の本場所を締めくくった。
勢いを持った若手力士が幕内上位で存在感を示し始める中、絶対強者として君臨したのは、やはり大横綱だった。昨年10月に受けた右ひざの手術から順調に回復。「ちょっと無理をした」初場所こそ、10勝しながら終盤に休場を余儀なくされたが、それか2カ月が経過し、調子も上向きに。今場所は2度、背後を取られる場面もあったが、そこから瞬時に体を切り替えして逆転勝利につなげたのは、状態のよさの表れでもあった。
十一日目には、大関取りを目指した22歳の関脇・貴景勝に厳しい取り口で勝利。勝負どころになるほど、磐石の相撲を見せて、15度目となる全勝優勝につなげた。場所前には「横綱・千代の富士関が33歳から優勝8回。私はまだ1回。それと最後の優勝が35歳5カ月。その2つの目標があります」と語っていたが、場所中に34歳となった今場所で、目標に一歩前進した。
大横綱とはいえ衰えがないわけではない。それでもまだ、抜きんでて強い。むしろ強敵の出現を待っている。そんな余裕すら感じさせる、会心の全勝優勝だった。
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