将棋の名人戦七番勝負第1局が4月10日、東京都文京区の「ホテル椿山荘東京」で始まった。4連覇を目指す佐藤天彦名人(31)と、初挑戦の豊島将之二冠(28)による対局で、振り駒の結果、先手は佐藤名人となった。
 佐藤名人は2016年、羽生善治名人(当時、48)との七番勝負に4勝1敗で勝利し、名人位で初タイトルを獲得。2017年は稲葉陽八段(30)を4勝2敗、2018年には羽生竜王(当時)にも4勝2敗と3期連続で保持している。2017年度においては、プロ入り後初めて勝率が5割を切る不調だったが、名人戦では見事に防衛するなど、ここ一番での勝負強さが光っている。前日のインタビューでは、過去の対戦成績で6勝11敗と負け越し、かつ4連敗中の豊島二冠に対して「関西奨励会から一緒で、長い間見てきている棋士の一人。勉強熱心というか、コツコツ積み重ねていられる方。プロになっても高い勝率を残されている。積み重ねた序盤研究といったものは非常に強みになっていると思います」と語った。