将棋の名人戦七番勝負第1局が4月10日に行われ、先手の佐藤天彦名人(31)、後手で挑戦者の豊島将之二冠(28)が譲らず、58手目で千日手が成立した。明日11日の午前9時から、先手・後手が入れ替わっての指し直しとなる。持ち時間は佐藤名人が4時間5分、豊島二冠が5時間59分から始まる。名人戦での千日手は、2003年に行われた森内俊之名人(当時)と羽生善治竜王(当時)の第4局以来、16年ぶり。
 4連覇を目指す佐藤名人と、奪取すれば平成生まれの棋士としては初の名人となる豊島二冠による初戦は、昼食休憩後に佐藤名人が1時間22分の大長考。その後、攻め立てたように見えたが、直後に同じ手が4回繰り返される千日手に。規定により、午後3時までなら、1時間後に指し直しとなっていたが、既に3時を過ぎていたために、2日目に指し直しとなった。佐藤名人は「あまり(千日手に)するつもりはなかったんですが、自分の中で考えていくうちに、こういう感じにしないといけないかなという風になってきました」と語った。また豊島二冠は「また気持ちを切り替えて頑張りたいと思います」と話した。