4月10日に開催される新日本プロレス両国国技館「INVASION ATTACK 2016」は、2016年の日本のプロレス界上半期最大のヤマ場といえる大会だ。組まれた9試合中6試合をタイトルマッチという本気度からも1月に新日本プロレスを退団した中邑真輔やAJスタイルズといった歴代王者無き後のネクストステージとしては最大出力のマッチメイクといえる。

3.12青森大会でニュージャパン・カップを初めて制した内藤哲也が、オカダ・カズチカに挑むIWGPヘビー級選手権。昨年6月にメキシコから帰国後ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポンとして紆余曲折、不満も抱えながらここまで登りつめてきた内藤に対してのファンの期待も大きく、オカダとの新時代を担う新黄金カードが新日本伝統の「名勝負数え歌」になりえるか?という大テーマを背負った試金石ともいえる極めて重要な試合となるだろう。ちなみに二人の過去6戦での対戦成績は3勝3敗の五分五分というのも何か運命めいたものを感じる。

すでに2度の後楽園大会で、互いの挑発合戦は最高潮にヒートアップ。3.27大会では、オカダが内藤の2度のデスティーノで失神。続く4.1大会ではオカダの寝そべり挑発に、内藤がマネージャーの外道を襲撃するという後味の悪い遺恨を持ち込み、互いが潰し合う大義名分は十分といったところだ。

実際のところ4.10大会までの前哨戦「Road to INVASION ATTACK 2016」の各大会では、内藤率いるロス・インゴベルナブレス・デ・ハポン軍の狡猾でまさに「制御不能」な闘いぶりがオカダのCHAOS圧倒して来た印象もある3.14の会見でも内藤は「元も新日本にベルトを巻きたくて入ってきたわけでその点はぶれていない」「本隊を見ても、CHAOS、バレット・クラブを見てもどこが一番おもしろいかと見たら俺たちが一番、俺らがメインにいるのは、いたって普通の結果」「このタイミングでタイトルマッチすべてはディスティーノですよ。運命」とかなりの手応えを感じているようだ。

オカダ対内藤ばかりが話題となっているが、今回の両国大会、注目カードが目白押しだ。

新たにオカダ率いるCHAOS入りした後藤洋央紀の動向、1年半ぶりの復帰戦でいきなり遺恨のBULLET CLUBのチームに挑戦するNEVER無差別級6人タッグ戦。さらには今シリーズ続いている柴田勝頼と第三世代の抗争第二幕となる天山広吉とのNEVER無差別級戦など後半6試合は全てタイトル戦という豪華カードが続く。

長年団体を牽引して来た元IWGP王者の中邑真輔、AJスタイルズらの大量離脱は、年明けのプロレス界を大きく揺るがしたが、重要な選手が去った後には必ず新たなスターが登場している。4.10のオカダ対内藤を含め「INVASION ATTACK 2016」は今年の新日本プロレス上半期を占う意味だけでなく、新たなステージの幕開けともいえる重要な試合になるだろう。

AbemaTVでは『新日本プロレス 2015年4月5日 両国大会』を配信