超早指しでさらに輝くか 昨年度新人王の「耀龍」大橋貴洸四段/AbemaTVトーナメント予選Aブロック
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 2016年10月1日。藤井聡太七段(16)が史上最年少で四段に昇段、プロ入りしたその日、同時に四段に昇段したのが大橋貴洸四段(26)だ。藤井七段の活躍があまりに目覚しすぎるために、どうしても注目を浴びにくい状況ではあったが、その成績は実に輝かしい。昨年度は37勝16敗、勝率.698の好成績で、若手棋戦のYAMADAチャレンジ杯、加古川青流戦で優勝。将棋大賞・新人王にも選ばれた。プロ入り後、藤井七段との成績は2勝2敗と五分。新鋭が超早指し棋戦「AbemaTVトーナメント」(4月28日放送開始)でも、新たな輝きを放つか。

 日本将棋連盟のオフィシャルサイトで、大橋四段の項目を開くと、大きな眼鏡と真っ青なスーツ姿の写真が目に飛び込んでくる。ただ、その下に続く成績一覧は、全棋士の中でもトップクラスの数字が並んでいる。今後、さらにレベルの高い対戦相手が増えた際、どんな数字になるかは注目だが、竜王戦で5組、順位戦でC級2組という現状から、確実にクラスを上げていくと思われる棋士の一人だ。

 同時にプロ入りした藤井七段は138局で118勝20敗、勝率.855(2019年4月26日現在)。たったの20回しか負けていない。まだまだ複数回の対戦がある棋士の方が少ないが、藤井七段に2回勝ったことがあるのは斎藤慎太郎王座(2勝0敗)、菅井竜也七段(2勝0敗)、そして大橋四段(2勝2敗)の3人しかいない。今後、藤井VS大橋という対局は、何度も行われ、その度に名勝負が繰り広げられることになるだろう。

 超早指し棋戦、AbemaTVトーナメントは前回に続いて2度目の出場。前回は予選通過の一歩手前で敗退した。今回こそは、初代王者に輝いた藤井七段が待つ、本戦出場を勝ち取りたいところだ。意気込みを聞かれた大橋四段は、色紙に「耀龍(ようりゅう)」と記した。「耀(かがやく)龍、なんですけども。将棋ってやっぱり主役は全ての駒だと思うんですね。駒を活躍させて、将棋を呼び込めたら」と、20枚の駒を短時間の中でフル活用させる。しのぎを削る藤井七段と、超早指しという究極の勝負で相対した時、大橋四段の駒は、いつもと違った輝きを見せる。

◆AbemaTVトーナメント 将棋界で初めて7つのタイトルで永世称号の資格を得る「永世七冠」を達成した羽生善治九段の着想から生まれた、独自のルールで行われる超早指しによるトーナメント戦。持ち時間は各5分で、1手指すごとに5秒が加算される。羽生九段が趣味とするチェスの「フィッシャールール」がベースになっている。1回の顔合わせで先に2勝した方が勝ち上がる三番勝負。予選A~Cブロック(各4人)は、三番勝負を2回制した棋士2人が、本戦への出場権を手にする。本戦トーナメントは8人で行われ、前回優勝者の藤井聡太七段、タイトルホルダーとして渡辺明二冠がシードとなっている。

(C)AbemaTV    

▶4/28(日)20:00~ 第2回AbemaTVトーナメント 予選Aブロック<前編>佐々木勇気七段、菅井竜也七段、近藤誠也六段、大橋貴洸四段

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