糸谷哲郎八段、都成竜馬五段との同世代対決制し本戦出場決定/AbemaTVトーナメント予選Bブロック
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 持ち時間5分、1手につき5秒が加算される超早指し戦「第2回AbemaTVトーナメント」の予選Bブロック一位決定戦の三番勝負が5月12日に放送され、糸谷哲郎八段(30)が都成竜馬五段(29)に2-1で勝利し、同ブロックトップ通過を決めた。お互いの手のうちをよく知り親交も深い両者の対決は、先制した都成五段に対して、糸谷八段の怪力とも言える反撃が炸裂。早見え早指しの実力者が、いよいよ真価を発揮してきた。

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 1局目を落とすことまで想定通りなのか。それほど前に糸谷八段が、戦うごとに“らしさ”全開となった。1局目は「ちょっと変なことしちゃいましたね。ひどすぎて、ちょっと将棋にならなくなってしまいました」と115手で完敗。2局目も、かなり都成五段に押される展開になった。解説していた藤井猛九段(48)も「だいぶ都成さんの方が優勢だったと思いますが、糸谷さんは追い詰められると強いですね。怪力を発揮しました」と語るしかない逆転で、141手で勝利、五分に戻した。

 決定局となった第3局も、やはり序盤は都成五段ペース。ただもはや糸谷八段にとって、序盤の優劣など関係ないほど、指し手が進むほどに凄味を出してきた。都成五段が一気に攻めようとしたところを、一気のカウンター。序盤とは異なり、中盤以降で握ったペースは決して手放さない。95手での勝利とともに、予選トップ通過を決めた。

 1回戦の佐々木大地五段(23)、一位決定戦の都成五段と、いずれも1局目を落とし、2局目・3局目と劣勢から反撃して連勝するという、同じような展開での勝ち上がり。インタビューでは「もう後がない状態ばかりで、そういう状態にならないと本気が出ないタイプとよく言われているので、その言葉どおりになってしまいましたね」と苦笑いしたが、初体験だった超早指し戦の経験をたっぷり積んでの本戦出場は、今後にも大きな価値がある。「とにかく勝つことだけを考えて優勝を狙いたいと思います」と本戦でいきなり糸谷ワールド全開となれば、前回優勝者・藤井聡太七段(16)、シードの渡辺明二冠(35)と並んで優勝候補に名が挙がる。

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 敗れた都成五段のコメント 序盤から仕掛けたあたり、かなり優位に進めることができていたので、それを2局連続で攻め間違えて逃してしまったのは、やっぱりちょっと悔やまれるところかなと思います。

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◆AbemaTVトーナメント 将棋界で初めて7つのタイトルで永世称号の資格を得る「永世七冠」を達成した羽生善治九段の着想から生まれた、独自のルールで行われる超早指しによるトーナメント戦。持ち時間は各5分で、1手指すごとに5秒が加算される。羽生九段が趣味とするチェスの「フィッシャールール」がベースになっている。1回の顔合わせで先に2勝した方が勝ち上がる三番勝負。予選A~Cブロック(各4人)は、三番勝負を2回制した棋士2人が、本戦への出場権を手にする。本戦トーナメントは8人で行われ、前回優勝者の藤井聡太七段、タイトルホルダーとして渡辺明二冠がシードとなっている。

(C)AbemaTV

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