8日、滋賀県大津市で保育園児2人が亡くなり、1人が意識不明の重体。さらに園児らを引率していた保育士を含む13人が重軽傷を負った自動車事故が発生した。この事故で自動車運転処罰法違反容疑(過失傷害の後、過失致死傷容疑に切り替え)で逮捕され、事故の発端を作ったとされている新立文子容疑者(52)は交差点で右折する際に「対向車を見ておらず衝突音で気が付いた」と供述していることが分かっている。この事件では、事後直後に記者会見を開いたレイモンド淡海保育園の若松ひろみ園長が泣き崩れ、回答に窮する場面が痛々しく、報道の姿勢に対しても賛否を呼んでいる。
今回、事故原因を追究する過程で「右折時の事故」について改めて注目が集まった。事実、平成30年中の交通死亡事故の発生状況及び道路交通法違反取締状況によると、様々なシチュエーション別の死亡事故発生件数において「右折時」は162件と、次いで47件と多い「左折時」の約3倍強におよんでいる。
「右折車は心理的にも結構しんどい」と解説するのは元千葉県警交通事故調査官の熊谷宗徳氏だ。熊谷氏はその理由に直進車、その奥から直進してくるかもしれない二輪車、さらに横断歩道を渡る自転車や歩行者の存在など難関の多さを挙げ「信号の変わり際の事故が一番多く、右折車は直進車が止まってくれるだろうと思い込みやすい」と説明する。さらに「サンキュー事故」についても言及し、直進車が右折車に進路を譲った際、その直進車による死界から飛び出してくる二輪車との接触事故なども右折事故には多いと補足した。また熊谷氏は今回の事故については「いつも通い慣れた道で、前の車も右折しており、自分も行けるだろうと思い込んでしまったことが原因として考えられる」と話している。
発生から数日が経過した今もなお、「お空の上でゆっくり休んでね。そして大好きな家族やお友達、保育園の先生たちを見守ってあげてね」など、事故発生現場には献花が寄せられている。
後を絶たない自動車による悲惨な事故。「自分は危ないと思っている人ほど気をつける。逆に自分は大丈夫だと運転技術を過信している人こそ、じつは危機管理能力が低い傾向にある。大丈夫だ、行ける“だろう”ではなく、来る“かもしれない”運転に切り替えて欲しい」と元埼玉県警捜査一課刑事の佐々木成三氏(42)は指摘する。
大津園児死傷事故に関して右折時の危険性、また右折車の過失などに議論が集中している中、20年以上の運転歴があるというお笑いタレント・千原ジュニアの持論は異なっていた。
「(運転歴の)ベテランであることを過信するということはあるだろうが、ベテランになればなるほど、そういう人もいるだろうと考える余地もできる。(自分が運転する車が交差点内を直進する場合)今、一台の車が右折したな。でも、次の車も『俺も行けるだろうな』と何も考えずに右折してくるかもしれない。(そのような交差点では)直進車もスピードを落とすべきだ。実際、あぁ大丈夫だったということもあれば、ほら見ろ、危ないところやったでということもある。直進車だって、それくらいの予想ができないのであれば、乗るなよという話だ」
直進車の問題も指摘した千原ジュニアは、自身の経験を踏まえて道路交通法に関するドライバーの理解の乏しさについても続けた。
「右折時、右折準備のため手前に設けられているゼブラゾーンを走ってはいけないと勘違いしているドライバーはかなり多く、ゼブラゾーンを走ったまま右折レーンに侵入すると、突然割り込んでくる車がいる。ゼブラゾーンの走行は道路交通法で許可されており、そのことをタクシーのドライバーであっても知らないことが多い。そんなことなら、ゼブラゾーンなど無くしてしまった方がいい」
「書き換えのドライバーは右折が苦手だ」と異なる視点、極端な例を挙げて意見を述べたのは、東大大学院卒で元日経新聞記者の作家である鈴木涼美氏(35)だ。自身がアメリカ留学時に運転免許証を取得し、帰国後に書き換えた経験のある鈴木氏は「アメリカの運転免許は日本と比べると取得するのが容易。そのような人が帰国後に免許を書き換えたとしても、(アメリカと走行車線が左右異なる日本では)右折できない、または苦手な人は周囲に多い。そのため、極力右折を必要としないルートを選んで運転している」
この話に言葉を失った千原ジュニアに代わって口を開いた文筆家の古谷経衡氏(36)は「アメリカでもフランスでも関係ない。国際免許を取得して海外で運転する場合は逆に緊張感があって事故は起こりにくい」と話し、あくまでも運転に対する慎重さ、“かもしれない”運転の重要性を主張した。すると納得した様子の千原ジュニアは、「今回、事故が起こった道路はとても見晴らしのいい直線だった」と話し、油断が招いた悲劇であると話した。(AbemaTV『Abema的ニュースショー』より)
(C)AbemaTV
大津園児死傷事故、千原ジュニアが“右折責任に偏った”議論に苦言 「直進車も予測ができないなら乗るな」
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