大抜擢のタイトル挑戦だった。5月18日、後楽園ホールでの「K-1 KRUSH FIGHT」。木村“フィリップ”ミノルが持つウェルター級タイトルに挑戦したのは、キャリア4戦目となる若干17歳の近藤魁成だ。
K-1甲子園で2連覇を達成している近藤は、プロ戦績わずか3戦。ウェルター級では1試合しかしていない。それでも挑戦者に選ばれたのは、誰もが認めるポテンシャルの持ち主だからだ。王者・木村もその勢いを評価しており、だからこそ「1ラウンドでKOする」と、全力で倒しにいくことを宣言していた。
憧れの存在でもあったという木村との対戦に「若手がベテランを倒さないと時代は動かない」と近藤。入場時も落ち着いた表情を見せていた。
ゴングが鳴ると、近藤は臆せず攻撃していった。ジャブ、前蹴りで前進し、木村がロープを背負ったところで上段のヒザ蹴り。これで見事なダウンを奪ってみせた。これをもらった木村は「意識が飛んだ」という。
しかし、木村もそこから立て直して左右のフックを連打し、今度は近藤がダウン。1ラウンドから壮絶な展開に。そんな中、2ラウンド開始時の近藤は笑顔を見せ、ゴングが鳴るとまたもジャブを主体に前進していく。対する木村もしっかりと反応し、ボディから顔面へとフック。ダメージの見える近藤に攻撃を重ねると、最後は左のボディをねじ込んで2ラウンドKOで初防衛を決めた。
ピンチを脱して逆転KOにもっていった王者の底力は見事だったが、それ以上に驚かされたのが近藤の大善戦だ。試合後の木村はまず近藤とその陣営を讃えている。
「凄い必死になりました。いい勉強になりました。近藤選手のことがあらためて好きになりました。またどこかで試合できたら」
敗れたとはいえ、プロ4戦目でチャンピオンを、それも木村を追い込んだ事実は光る。恋愛リアリティ番組「太陽とオオカミくんには騙されない」出演でも注目された近藤だが、この試合でトップクラスの実力とポテンシャルを証明してみせた。近い将来、K-1を背負って立つ存在になることを期待したい。
(C)AbemaTV
【見逃し視聴】
近藤魁成、“戦慄”のヒザで木村“フィリップ”ミノルからダウンを奪う善戦 木村「意識が飛んだ…」