将棋の渡辺明棋王(王将、35)が5月20日、7連覇を達成した棋王の就位式に出席し、5人いるタイトル保持者の中で最年長になったことに「ここまで引き上げてもらった部分は大きい」と、数々の先輩棋士に挑戦したことで成長できたことを振り返った。
渡辺棋王は2012年に初めて棋王位を獲得してから、そのまま防衛を続けて7連覇。連続5期の条件をクリアし、12連覇を達成した羽生善治九段(48)の2人だけの「永世棋王」の有資格者となっている。今年2月には広瀬章人竜王(32)を迎え撃ち、3勝1敗で防衛を果たした。
就位式であいさつした渡辺棋王は、8大タイトルを5人が保持している状況に触れ「この春35歳になりまして、同時にタイトル保持者の中では最年長になりました。つい2、3年前まではむしろ最年少だったんですが」と、先日平成生まれの棋士として初の名人となった豊島将之名人(王位、棋聖、29)ら20代棋士の活躍を感じているという。「自分が10代、20代のころというのは、手強い先輩にぶつかっていっては、追いつけ追い越せという気持ちでした」と、かつて自分が大きな壁に向かっていったが、今度は自分が若手の壁として立ちはだかる構えだ。
現在、複数タイトルを保持しているのは豊島名人と渡辺棋王だけ。「来年もまた1つ、連覇回数を積み重ねたいと思います」と、30代棋士のエースとしてまだまだ存在感を示す意気込みだった。
◆8大タイトルの保持者(年齢順 2019年5月20日現在)
35歳 渡辺明二冠(棋王、王将)
32歳 広瀬章人竜王
29歳 豊島将之名人(王位、棋聖)
26歳 永瀬拓矢叡王
26歳 斎藤慎太郎王座
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