およそ1年ぶりに行われた党首討論。新潟、山形の地震被害に対するお見舞いから始まった党首討論は、トップバッターを務めた立憲民主党の枝野幸男代表との攻防から、「老後2000万円不足問題」を巡るやりとりに終始した。
今回の党首討論について、AbemaTV『AbemaPrime』に出演した政治ジャーナリストの細川隆三氏は「やはり時間が短い。野党側は年金問題のワンテーマに絞って質問をしていたが、もう少し色々聞きたかったし、党首討論の制度自体を改革した方が良い」と指摘した上で、「枝野氏は理路整然と、国民がどういった不安を持っているのか、それを解消するにはどうしたらいいのか、非常に冷静に、具体的に質問していたし、逆ギレを誘うような挑発的な質問はしなかった。しかし、年金問題の不安はなかなか解消できていないと思う。玉木代表の、財政検証の結果を公表していないことに関する質問に対しても、安倍総理は真正面から答えなかった。選挙前から出さないと見られてもおかしくないし、そう見られたくなければ出せば良い」と振り返った。
その上で、細川氏は「野党の腰が引けていた」とも指摘する。
「枝野氏としては安倍総理に逆ギレされて衆院の解散を誘うより、参議院選挙を単独でやり、安倍政権側にお灸を据えるような結果を出したい。そして次の衆議院選挙、その次と"ホップ・ステップ・ジャンプで行きたいのだろう。内閣不信任案を出す・出さないという話にしても、結果がどうあれ野党として出さないのはおかしい。枝野氏に限らず、野党全体が衆議院選挙をやられると…ということで、ちょっと腰が引けている。しかし、選挙をやらなければ議席は増えないので、本当は解散を迫らないといけない。また、討論を見ていて、安倍総理に"これから伝家の宝刀を抜く"という、"総理の迫力"とのようなものが見てとれなかった。解散はほぼない。でも、それこそ死んだふりかもしれない。いずれにしろ、参院選の前ということもあり、具体的な議論はなされなかった」。
ジャーナリストの堀潤氏は「例えば立憲民主党の長妻昭さんはジャーナリスト出身だから、事実を検証して、それを当てながら追及していく。煙に巻かれて終わるのではなく、"これについてはどうなのか?"と。かつて民主党が政権を時には、消えた年金問題などで、迫力を持った追及ができた。選挙にビビっているというのは、人材、球が揃わないからだと思う。今、野党は調査能力を持とうとしていて、そのための人材を選挙に向けて確保しようとしているが、候補者選びに相当苦労している」とコメントしていた。(AbemaTV/『AbemaPrime』より)
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