藤井聡太七段、連覇に王手!木村一基九段にフルセット勝ち 決勝は糸谷哲郎八段/将棋・AbemaTVトーナメント
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 持ち時間5分、1手につき5秒が加算される将棋の超早指し戦「第2回AbemaTVトーナメント」の準決勝(三番勝負)が7月14日に放送され、前回優勝者の藤井聡太七段(16)が木村一基九段(46)をフルセットの末、2-1で下し、決勝に進出した。決勝は早見え早指しの強者・糸谷哲郎八段(30)と戦う。

 「最速最強」を目指す若者が、「千駄ヶ谷の受け師」の異名を持つベテランの受けを、悩みながらも突き破った。若手有利と言われる早指し戦において、負けず劣らずの早指しを見せる木村九段を警戒しつつも、徐々に自分の力を呼び起こし、そして勝ち進んだ。

 第1局は、現在の将棋界では非常に多く指される角換わり。多くの棋士が研究を進める戦型でもあり、序盤は定跡通りに。一点、中盤以降非常に激しい攻め合いになると、木村九段自身が「勝負どころでぬるい手が出た気がする」と反省したタイミングで一瞬の隙を突き、一気に勝勢にまで傾けた。85手での快勝は、現在の藤井七段の実力、勢いを象徴するものだった。

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 ただ、相手はトップクラスで戦いを続けるA級棋士。すんなりストレート勝ちは許してもらえなかった。第2局、後手番だった藤井七段が技を次々に繰り出すものの、受けの巧者に見事にしのがれ、寄せきれなかった。97手で敗れ、今大会初黒星。ただ、この敗北で藤井七段の集中力も、より増した。

 運命の第3局は、第1局と途中まで同じ指し手が進む角換わり。ここで藤井七段は新たな工夫を取り入れ、第1局よりも短い75手で快勝。第1局と第3局、わずかな合間で課題を見つけ、修正し、それを実戦に反映する。1日どころか数時間単位で成長するのが、16歳の恐ろしさだ。「なんとか決勝に進むことができて、ホッとしています」と笑顔で話す様子には、充実感も漂わせた。

 これにより2大会連続で決勝進出。連覇にもあと1つと迫った。ただ決勝で待つのは、通常対局よりも早指しで力を発揮するとさえ言われる糸谷八段。「糸谷八段は、非常に早指しが得意なことで知られていますので、決勝戦も大変な戦いになるかなという風に思いますけど、自分のペースを貫いて、決勝でも戦えればという風に思っています」と意気込みを語った。一瞬も見逃せない超早指し戦の頂点へ、藤井七段は決断よく指し進め続ける。

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敗れた木村九段のコメント やっぱり悔しいですね、負けると。うまく指されました。(フィッシャールールは)勢いというものが大変大事かなという風に思いました。公式戦ではないルールでやりましたので、指してて楽しかったです。(次回は)ぜひ、出たいと思います。出られるような活躍をして、また参加したいと思ってます。

◆AbemaTVトーナメント 将棋界で初めて7つのタイトルで永世称号の資格を得る「永世七冠」を達成した羽生善治九段の着想から生まれた、独自のルールで行われる超早指しによるトーナメント戦。持ち時間は各5分で、1手指すごとに5秒が加算される。羽生九段が趣味とするチェスの「フィッシャールール」がベースになっている。1回の顔合わせで先に2勝した方が勝ち上がる三番勝負。予選A~Cブロック(各4人)は、三番勝負を2回制した棋士2人が、本戦への出場権を手にする。本戦トーナメントは8人で行われ、前回優勝者の藤井聡太七段、タイトルホルダーとして渡辺明二冠がシードとなっている。

(C)AbemaTV

▶【見逃し視聴】第2回AbemaTVトーナメント準決勝 木村一基九段 対 藤井聡太七段

[決勝進出をかけた戦い!]準決勝 木村一基九段 対 藤井聡太七段 | 無料のインターネットテレビは【AbemaTV(アベマTV)】
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