「RTDトーナメント2019」クオーターファイナルA(準々決勝) 1回戦(全2回戦)が7月14日に放送され、勝又健志(連盟)がトップを取った。

 対局者は起家から勝又健志(連盟)、猿川真寿(連盟)、瀬戸熊直樹(連盟)、藤崎智(連盟)。

 勝又は、4選手中3選手が勝ち上がれるシステムに関して「何が何でもトップとは思っていない」と語っていた。具体的には、強い攻撃力を誇る瀬戸熊と猿川に対して「いつも通り自分の麻雀を打ち切るというふうに戦ってきたならば、2人に戦ってもらって好位置につける。逆にこのシステムだから、2人が安全な選択をするというふうになったら、自分は思い切って攻めていく」といずれにせよ、逆の作戦で戦おうと考えていた。
 
 東3局、勝又は瀬戸熊の親リーチに対して、追っかけリーチを決断。単に待ち牌に自信があるだけではなく、明確な戦略もあった。「放銃したとしても東3局でラス目でもまだまだ追いつくチャンスはあるところ。逆に相手がポイントを持ったことによって、少し守備的に打つと変えてくれたら」と東4局以降の展開を作り出せるポイントと見ていたのだ。結果、瀬戸熊とのめくり合いを制し、リーチ・タンヤオ・平和で3900点(+供託1000点)をアガり切った。

 さらに南2局1本場では、3回鳴いていた親番・猿川が前巡に切った6索に狙いを定めてツモ切りリーチを敢行。これを思惑通り、リーチ・一発で2600点(+300点、供託1000点)を加点しトップ目に立ち、オーラスでもタンヤオ・赤2で4000点をアガってトップを確定させた。

 「相手にいかに自分の力を出し切らせないかということを考えたい。普段だったら攻めるけど、ここは守ろうと最善を外してくれるならば、それはポイント差以上に得かもしれない」という発想から、攻守のバランスを取るあたりは、麻雀IQ220とも称されるまさに“麻雀軍師”の面目躍如。

 2戦目に向けても「役満級を放銃しなければ大丈夫ですけど、役満は満貫4つ分なので、満貫を4回放銃したら危ない」と安定感を重視した麻雀を打ち切るつもりだ。【福山純生(雀聖アワー)】

【クオーターファイナルA 1回戦成績】

1位 勝又健志(連盟) 3万6600点 +56.6(1/2)
2位 猿川真寿(連盟) 2万6700点 +6.7(1/2)
3位 藤崎智(連盟) 2万2300点 ▲17.7(1/2)
4位 瀬戸熊直樹(連盟) 1万4400点 ▲45.6(1/2)

※連盟=日本プロ麻雀連盟

◆RTDトーナメント2019 2016年から3年に渡り行われてきた「RTDリーグ」から、トーナメント方式に変更。昨年行われた「RTDリーグ2018」の予選リーグ(WHITE・BLACK)の上位各6人、推薦枠として2人の計14人に加え、予選リーグ7位の2人と新規参戦2人の4人による入れ替え戦(サバイバルマッチ)から上位2人が本戦に進み、計16人で行われる。16人はA~Dの4グループに分かれ、半荘4回戦で対戦。トータル2位が準々決勝A(上位3人が準決勝進出)、同3位が準々決勝B(上位1人が準決勝進出)へ、同1位は準決勝(上位4人が決勝進出)に進む。主なルールは一発・裏ドラ・赤(各種1枚)あり、全自動卓による自動配牌のMリーグルール。