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「横の誰かの不幸を見て終わりにする、皆で沈黙するのではなく、生放送をやったり、批判があったりしても、将来こうしていこうやと言い合えるのは、凄く大事な人間関係だと思う。“連帯されている”というのはお手本にしたい」

 ジャーナリストの堀潤氏が言及したのは、20日に反社会的勢力との間で闇営業を行ったとして所属事務所とのマネジメント契約解除に至ったことを受けて雨上がり決死隊の宮迫博之と謹慎中のロンドンブーツ1号2号・田村亮が行った記者会見について。さらに、その直後に声を上げた、ダウンタウンの松本人志ら芸人たちの一連の反応に関してである。

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 この意見を受けた同社所属のお笑いタレントである千原ジュニアは「本来芸人が見せてはいけない表情を見せてしまったので……それはもう、我々芸人たちが笑えるようにしたいなとは思いますね……」と芸人を代表して率直な心境を語った。

 すると、堀氏は続けて「アナタの職場で誰かが困っていて必死に訴えをしたのに、もし沈黙するようなことがあったら、今回の吉本の芸人の皆さんの連帯ぶりを思い出してほしい。こういう時だからこそ、訴えをした人を孤立させない。その評価はどうにせよ、隣にいて仲良くやって来た皆は、じゃあ一緒になって考えて、反省すべきは反省するかと言えるようなチームを作ることが、働き方改革において一番大切なこと」と話し、今回の一連の件については社会全体として学ぶべきこともある身近なテーマだと訴えた。

 一方、ネット問題に詳しい文筆家の古谷経衡氏は「公表されていることだが、在京5社、大阪で5社持っているから誰も歯向かわんと(吉本興業が)言ったが、今こうしてテレビで議論をしている。もはや資本関係があろうとなかろうと、『誰がどう見てもおかしい』ということを隠せる時代ではなくなっている」と話し、社会の意識、さらに企業との関係性の変化について指摘した。

■“空気”に支配されがちな日本社会 「正義」とは何か?

 「社会」という観点から、持論を展開したのが国際政治学者の舛添要一氏だ。舛添氏は「私がもう一つ嫌なことは『空気に支配される』こと。20日の会見で上手な空気を作ったからこれでいいんだ。じゃあ、空気の作り方が下手な奴はそれで終わるのか。空気を作るチャンスも無い奴はどうなのか。そこは基本的なルールがしっかりしてあって、ルールに違反しているからこうだ、というのが法の支配が及んでいる国。その点、私は日本に関してはまだ、法の支配ではなく空気の支配が続いている。20日の会見で空気は完全に変わってしまった。しかし、正義というのは、昨日と今日でそんなに簡単に変わるのか?」と話し、“空気に支配されがちな日本社会”に対して警鐘を鳴らした。

 舛添氏の意見を聞いた堀氏は「罪と罰のバランスが空気なんです。実際に宮迫さんやその他の皆さんが、どれだけの刑法上の罪を犯しているのか。社会通念上許されないだけだが、社会通念上許されないことは、どこまでも燃やされて拡大していくけども、本当の法の支配であれば、これは刑法には当たらない。今後、新しい事実が出てきたら罰せられる可能性はあるが、それは程度の問題。実際はそこに怖さがあって『では、誰が量刑を決めるのか』というのは、謹慎期間なども含めて本来であれば裁判官だ」と舛添氏の意見に同調した。

 最後に「嘘みたいな話ですけど」と割って入った千原ジュニアは「我々が(吉本興業に)入ったのは30年前ですけど『なんでやってんねん、そんなに(会社側に)とられて』と言われますけど……好きやし、義理とか人情なんですよ。そんなとこから始まってるから」と芸人という立場での複雑な心境を明かすと、今回の問題が単純ではなく、思うところは色々とあるという様子だった。

 20日の会見を受け、22日には同社の岡本昭彦社長らが会見を行った。岡本氏らは「コンプライアンスの徹底」「芸人タレントファーストで物事を考える」といった2点の改善案の徹底を掲げると、自らに50%の減俸(1年間)を課すと明らかにしている。(AbemaTV『Abema的ニュースショー』より)

(C)AbemaTV

▶映像「千原ジュニアとフジモンが闇営業について語った!」

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「今、吉本に便乗してくるのお前だけやで!」千原ジュニアが思わずツッコんだ相手とは?
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