トーナメントやタイトルマッチこそ組まれていなかった8月25日のK-1大阪大会(エディオンアリーナ大阪)だが、豪華メンバーが揃うマッチメイクとなった。
そんな中、ノンタイトル戦ではあるがクルーザー級の世界チャンピオンであるシナ・カリミアンも出場。日本の愛鷹亮と対戦した。そしてこの試合が、大会で最も劇的と言える結末を迎えた。
2メートルの長身を誇り、無敗の快進撃を続けていたカリミアンに対し、愛鷹はK-1、KRUSHで勝ち負けを交互に繰り返してきた。今回はいわばチャレンジマッチの位置付けと思われていた。
試合が始まると、カリミアンが体格差を活かして優位に試合を進めていく。パンチだけでなく前蹴りを顔面、ボディに放って距離を突き放す攻撃も。こうなると愛鷹の打撃が当たらない。苦しい展開となった愛鷹だが、それでも踏み込んでパンチを狙っていく。
実は1ラウンドの時点で、愛鷹は手応えを感じていたそうだ。現在の所属ジムは武尊らと同じKREST。強豪が数多く所属するジムに移籍することで、技術や戦略が磨かれた。実際にカリミアンの攻撃を受けてみて、ジムで練習している野杁正明や山崎秀晃とは「スピードが違う」と感じたと愛鷹。
スタミナ温存のためか、中盤からはやや手数が減ってきたカリミアン。逆に愛鷹はチャンスを狙い続ける。最終3ラウンド、カリミアンがコーナーを背負った瞬間に愛鷹はフックを左から右へとつなげ、これが見事にヒット。完全KOで愛鷹が大番狂わせを成し遂げた。大逆転の勝利に、愛鷹はセコンドと抱き合って男泣き。
「警察官から格闘家になって、周りには無理だと言われながらあきらめずにやってきました。自分の夢は世界一。次はタイトルマッチでお願いします」
大晦日で30歳になる愛鷹は、年内にタイトルマッチを行い20代でチャンピオンになりたいと意気込みを語った。大会を観戦した武井壮も「今夜は愛鷹亮がボルテージ爆上げしたなあ!!」とツイッターに書き込んだほどのインパクトを残しただけに、今後K-1重量級戦線における台風の目になってきそうだ。
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