9月16日に開催されるRISE・幕張メッセ大会では、那須川天心が登場する世界トーナメント決勝以外にも注目カードが数多く組まれている。
その一つが、鈴木真彦vs田丸辰の一戦。鈴木はRISEのバンタム級(55kg)チャンピオンで、田丸はスーパーフライ級(53kg)のベルトを持つ。この王者対決は、発表されると格闘技ファンの間で大反響を呼んだ。
このチャンピオン同士の闘いという意味でも興味深いが、鈴木vs田丸にはそれ以上のテーマもある。RISEの伊藤隆代表の言葉を借りれば、この2人は「天心世代」。1998年生まれの那須川に対し、鈴木は97年生まれで那須川と同世代。田丸は16歳とさらに年下の新世代だ。
鈴木は過去に那須川に敗れているが、現在は16連勝中。田丸はデビュー以来10連勝と立ち技格闘技の世界で最も勢いに乗っていると言っていい。そんな2人の対戦に、伊藤代表は「世界を向いている天心を振り向かせる試合をしてほしい」とエールを送った。現在は58kgの世界トーナメントに参戦している那須川だが、ベストウェイトはもっと下。あくまで内容しだいだが、鈴木vs田丸の勝者と対戦する可能性もある。
那須川自身、9.16幕張大会の注目カードとして鈴木vs田丸を挙げている。「僕が教えたら辰が勝つ可能性は上がりますね。でも辰も僕とやりたいみたいなんで教えませんけど(笑)」と那須川。
「今は那須川選手が格闘技界を引っ張ってますけど、那須川選手だけじゃダメ。僕が先頭に立ちたい」と田丸。鈴木は「天心世代と言われるのはムカつきますね。自分が中心になりたいし(那須川は)自分が倒したい」と8月30日の会見で語っている。「この男が那須川と闘ったら面白そうだ」と観客に思わせることができるかどうか。それもこの試合のテーマとなる。
また、今大会で韓国のチャンヒョン・リーと対戦する原口健飛は98年生まれで那須川と同い年。会見では「天心くんとは体重が違うので。(対戦するより)一緒に盛り上げたい」と語っている。対戦するかどうかはともかく、20歳前後からそれより下の若い選手たちがRISEマットで台頭しているのは確か。9.16幕張大会は、格闘技界の新たな息吹が感じられるものになりそうだ。
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