「麻雀に男女の差がなく、個人の差であることを証明したい」と魚谷侑未(連盟)はMリーグ2018に臨んだ。しかし個人スコア▲249.1で21人中18位と、思うような結果を出すことは出来なかった。「辛かったですね。初めての経験でもあり、しかも負けてしまったので。自分の責任はすごく大きい」とドラフト1位指名選手として責任を背負い込んでいた。
その敗因として「苦しいなりにマイナスを抑えられた局面があったはずなのに、一戦一戦にこだわりすぎた」と無理してトップを狙い過ぎたことを挙げた。
したがって今期はレギュラーシーズン全90試合を長期リーグ戦と捉え「出場した試合でトップを取ることではなくて、自分が出来る最善が何かを考える。だからときにはラス確定アガリや3着確定アガリもしていかなければならない」とファイナル進出を一番の目標として戦っていく。
今期から同団体のA1リーグで戦う唯一の女流プロ、和久津晶(連盟)が新たに加入した。「(和久津とは)お互いにわかりあえているというか、卓上で本当に会話が出来るというか、戦っていてもキャッチボールが出来る感覚。深いところまで話せるので、すごく心強い」と魚谷にとってもチームにとっても、強力な援軍となりそうだ。
和久津の加入で茅森早香(最高位戦)の女性3人と近藤誠一(最高位戦)男性1人というチーム構成に。「うちのチームだけは4人中女性3人。女性2人のチームも他にはなく、インパクトのあるチームなので、昨年、私が言っていた女性と男性に麻雀の差がないことの証明にもなり、本当に今年は優勝する意義がすごくある。来年は私がフェニックスにいられる保証はないので」と自らの退路を断って臨む。
9月2日、セガサミーフェニックスは公式Twitterで「開幕試合は今年も魚谷侑未に任せます!」と、どのチームよりも最速で開幕戦の先発選手を予告した。魚谷は昨年、開幕戦の先発出場を志願していたが、今年は「一戦一戦にこだわらないこと」を意識するために先発志願はしていなかった。しかしチームを率いる高畑大輔監督から「リベンジするのがファンサービス」と背中を押され、開幕戦の出場を決心した。そして「開幕戦だけはフェニックスを応援してくれているみんなで笑えるように、絶対にトップを取りに行きます」と誓った。
魚谷の信条は「絶対に最後まであきらめない」。昨シーズン、最後に流した悔し涙を、絶対に歓喜の涙に変えるべく、9月30日の開幕戦に出陣する。【福山純生(雀聖アワー)】
◆魚谷侑未(うおたに・ゆうみ)1985年11月2日、新潟県生まれ。B型。日本プロ麻雀連盟所属。主な獲得タイトルは第6・7期女流桜花、第10・12回女流モンド杯、第9・11・12モンド王座、第16回日本オープン、第44期 王位。著書は「麻雀が強くなるための心と技術」「ゆーみんの現代麻雀が最速で強くなる本」。
◆Mリーグ 2018年に発足。同年10月から7チームによるリーグ戦を行い、初代王者の赤坂ドリブンズが優勝賞金5000万円を獲得した。2019シーズンから新たにKADOKAWAサクラナイツが加入し、全8チームによるリーグ戦に。各チーム3人ないし4人、男女混成で構成され、レギュラーシーズンは各チーム90試合を行う。上位6チームがセミファイナルシリーズ(各16試合)、さらに上位4位がファイナルシリーズ(12試合)に進出し、優勝を争う。
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