Mリーグが開幕した2018年。近藤誠一(最高位戦)は、所属団体の最高峰のタイトル「最高位」(自身4度目)に加え、国内最大級のプロアマ大会「麻雀最強戦」も制覇した。Mリーグでも、その豪胆な打ちっぷりから“千両役者”とも呼ばれ、麻雀ファンを歓喜させた。さらに麻雀情報番組「熱闘Mリーグ」内の選手密着VTRにおいても、大胆な入浴シーンを披露。近藤ファンを一気に増やした。
レギュラーシーズン最終戦でも誇り高く戦ってトップを取り、勝利者インタビューでは目頭を押さえ「フェニックスはいつか羽ばたきます」と来期の活躍を誓っていた。
近藤の基本スタイルはメンゼン高打点型。「各選手のことをよく知っているつもりだったんですけど、赤牌ありの真剣勝負で打つのはMリーグが初めてだったので、個々に対する印象が少しずつ変わり、自分の中では調整が必要だった」と戸惑いもあったが、その打ち筋を貫き、レギュラーシーズン+144.4。個人スコア21人中5位、平均打点7409点で21人中4位と結果も残した。
近藤自身、特に印象に残っているのは、パブリックビューイングの盛り上がりだった。「パブリックビューイングで熱狂するシーンの中に、我々麻雀プロがいることは想像出来ていなかった」と一打一打に一喜一憂する観客の反応に、プレイヤーとして胸が躍った。
所属団体のリーグ戦では、感情を出さないように意識している。だがMリーグでは無理に封印するのではなく、ここぞと深く踏み込み込んでいく時には感情が出てしまうことも厭わないと考えている。「勝負の場ではサインというか気配を出すのは傷になるので、普段の競技対局では一切、極力出していません。でもMリーグでそういうシーンが出てしまうとすれば“我慢を解く”時です。自然に出てしまうものは自然に出す。そのぐらいのイメージでやっていきます」と、ありのままに近い状態で戦っていくつもりだ。
ちなみに今期のパブリックビューイング会場は「スターライズタワー」(9月30日・開幕戦、11月1日)、「ベルサール六本木」(2020年2月7日、3月6日、3月9日)のほか、新たに“Mリーグプレミアムナイト”と題し「EXシアター」(12月3日、2020年2月3日)での開催が決定した。「キャパシティが大きくなると聞いていますので、より多くの歓声で将来的には人数が2倍、3倍になれば、歓声も二重三重になる」と近藤が我慢を解いて千両役者になった時、パブリックビューイング会場は、歓喜のスタジアムと化す。セガサミーフェニックスは9月30日に開幕戦を迎える。【福山純生(雀聖アワー)】
◆近藤誠一(こんどう・せいいち)1963年8月1日、兵庫県生まれ。A型。最高位戦日本プロ麻雀協会所属。主な獲得タイトルは第37・40・41・43期最高位、第13回モンド王座、第10・11回モンド名人、四神降臨2013王座・2015秋陣、2015・2016日刊スポーツ杯スリアロCSGC、京都グリーン杯2016夏、第二回麻雀駅伝2018、第29期最強位他。著書は「最強雀士が語るデジタルの向こう側 大きく打ち、大きく勝つ麻雀」。
◆Mリーグ 2018年に発足。同年10月から7チームによるリーグ戦を行い、初代王者の赤坂ドリブンズが優勝賞金5000万円を獲得した。2019シーズンから新たにKADOKAWAサクラナイツが加入し、全8チームによるリーグ戦に。各チーム3人ないし4人、男女混成で構成され、レギュラーシーズンは各チーム90試合を行う。上位6チームがセミファイナルシリーズ(各16試合)、さらに上位4位がファイナルシリーズ(12試合)に進出し、優勝を争う。
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