Aマッソの人種差別的発言にEXIT兼近「お笑いも"アップデート"する時代。人を傷つけないネタの方が時代に合ってきている」
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 女性お笑いコンビ「Aマッソ」がライブで披露したネタの中で特定の人物名を挙げ、「漂白剤が必要」という人種差別的発言をしたとして炎上、ロイター通信、イギリスのBBCなどの海外メディアでも報じられている。

 芸能プロダクション「ワタナベエンターテインメント」は公式サイトに「弊社所属お笑いコンビのAマッソ(加納・村上)が2019年9月22日に出演した(中略)ライブ中に、特定の方のお名前を挙げて、ダイバーシティについて配慮を欠く発言を行った件につきまして、お名前を挙げてしまったご本人(中略)、本件について不快な思いを感じた皆様、関係各位に多大なるご迷惑をお掛けしましたことを、深くお詫び申し上げます」との文章を掲載。

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 合わせて本人たちも「笑いと履き違えた、最低な発言であったと今更ながら後悔しています。人前に立つ仕事をする人間として以前に、一人の人間として絶対にあるまじき言動であったと思います」(加納)、「勘違いをしていました。考えればわかるはずなのに多くの人を傷つける発言をしてしまいました。ネタでは何でも発言していい、人を傷つけていいなどと思ったことはありませんが、今回の発言でそれをしてしまいました」(村上)と、直筆の文章で謝罪している。

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 お笑いコンビ・平成ノブシコブシ徳井健太は「今回の発言は間違っていると思うが、一方でそこまで考えずに言ったんだろうと思う。Aマッソの二人も今はすごく反省しているだろうし、それが世間に伝わってほしい」と後輩を慮る一方、「テレビやネットにまだ出ていない若手芸人は、まず劇場で目の前の100人を一番笑わせることが全てだ。それが一番できた人に次のチャンスが来て、今度は500人のライブに出られる。だから正直、とにかく100人を笑わせればいいとしか考えていないし、申し訳ないが、俺も若い頃はそうだった。テレビに出るようになれば必ずスポンサーさんが嫌がることは言えないと考えるようになるし、結婚して、子どもができて、色々な国の子がいたり、色々な病気の人がいるということも知るようになった。だから勉強するしかないし、吉本のコンプラの授業でもそういう事をもっと伝えてあげた方がいいと思う」とコメント。

 また「差別をネタすることはないが、漫才の"僕、モテてなかった""そりゃ、そうだろ"というやりとりや、太っていることや、背がちっちゃいことをいじるのは、本人がその場にいるならいいと思う。お客さんには太っている人やモテない人もいるだろうし、そこまで考えた上でのネタが面白いかと言ったら面白くないと思うので、難しいところではある」とした。

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 同じくお笑いコンビ・EXIT兼近大樹は「僕らはこういう見た目なので、"昔、似たような人にやられた"と、見ただけで傷つく人もいると思う。ただ、お笑いも"アップデート"と言っているが、人を傷つけないお笑いの方が今の時代に合ってきていると感じる」と話す。

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 芸人のパックンは「身体的特徴を取り上げてネタにすることは差別につながりかねないという意識を持ってほしいと思う。一方で、ライブというのは"無法地帯"でもあってほしいし、そこでの発言がすぐにネットにアップされ、チクられるというのもあまりよくないと思う」と話す。

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 大阪市立大学都市文化研究センター研究員のケイン樹里安氏は「口が滑ったわけではなく、練習を積んだネタのはずだ。ネタを見に来ている人の中にそうした肌の人がいるという可能性を一度も考えなかったのかなと思う。そして、その場にそういう人がいなかったらいいじゃないかではなくて、ご家族やパートナーにいる可能性もある。ただ、こうした問題はこれまでも放置されてきていて、今回はAマッソさんが批判を被ってしまったということでもある。僕は正直、外見いじりは面白くないと思っているし、いつまでそれでいくのかと思う」と指摘。

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 弁護士の深澤諭史氏は「表現物は作っただけでは完成せず、受け手に見てもらって、聞いてもらって初めて完成する。そして、受け手には色々な人がいるので、中には嫌な思いをする人もいる。特に日本は同質性が高い国なので、思いが至らないことで問題が起きている。"嫌ならば見なければいい"という考えもあるが、嫌な人が見ていないなら何を言ってもいいのかというと、それはそうではない。人を傷つけることなくお笑いで楽しませることもできるということは頭に入れておいてほしい。そういう"感受性の引き出し"を増やしていってほしいし、私も指導や研修をする際には、その点に力を入れて話している」と話す。

 「あれもダメ、これもダメ、と言われると面白くなくなるという意見もあるかもしれないが、何が面白いかはどんどん変わっていく。大昔は奴隷に殺し合いをさせて面白がっていたが、今はそんなことをするのはとんでもない。つまらなくなった、ではなく、アップデートしたんだと把握して頂ければと思う」。

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 プロデューサーの若新雄純氏は「"外見いじり"というのは、反論できる本人がいて打ち返せる状況でなければ成立しないと思う。また、差別をするのはいけないが、事実として差別が存在することに向き合うのも芸だ。際どいネタであったとしても、"これは差別問題に踏み込む芸なので、こういうふうに受け取る人もいるだろうし、批判も来るかもしれないが、そこに対してはこういうふうに返していこう"ということまで考えた上でネタを練って、あえてチャレンジしたのであれば価値はあると思う。だからこそ、"こうしておけばミスしないよね"というのはアップデートではなく、グレードが下がっているとも言える。だから今回の件は別として、踏み込み続けることも必要だし、これからの芸人さんはものすごい知性を求められるので大変だ」と指摘していた。(AbemaTV/『AbemaPrime』より)

▶動画:スタジオでの議論の模様(期間限定)

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