9月30日に放送された大和証券Mリーグ2019の開幕戦。U-NEXT Pirates・小林剛(麻将連合)が、解説を務めたレジェンド雀士、土田浩翔(最高位戦)を驚嘆させる衝撃の一打を見せた。
それは南3局、小林の親番。14巡目にトップを快走するセガサミーフェニックス・魚谷侑未(連盟)からドラ一万を雀頭にした二、五万待ちの両面リーチを受けた時だった。
魚谷のリーチ宣言牌の1索をポンした小林はチャンタ・ドラで三万待ち。出アガリでも、ツモっても3900点のテンパイに構えた。
だが次巡、小林のツモはドラの一万。二万を切れば、中とドラのシャンポン待ちとなるので、最終形は中・チャンタ・ドラ2かチャンタ・ドラ3。いずれにせよ親満1万2000点が確定するため「二万出ちゃった!これはしょうがないよね」と土田が言った直後、小林が切った牌は二万ではなく、ドラの一万だった。「私はいけないものを見てしまった。一万も二万もどっちも危ないんですが、小林の目に何が見えたの?」と土田は絶句した。
結果、流局となったが、小林は親番をキープ。南3局1本場が始まっても「麻雀をする方が1万人いたとして、終盤に親満テンパイとなった(ドラの)一万をツモ切れる人は、いたとしても0.1%いるかいないか」と興奮さめやらぬ土田。魚谷のリーチに通っていないドラを切って、放銃を回避した小林の「読みを信じる意志力」を絶賛し「天才というか、秀才というか。小林剛というプレイヤーの凄さを垣間見せて頂きました」と脱帽した。
試合後、東京タワーの真横にある「スターライズタワー」で行われたパブリックビューイング会場で、小林はこの打牌の意図を明かした。南3局では仕掛けを入れていた渋谷ABEMAS・白鳥翔(連盟)をケアしていたそうで「魚谷だけに危なそうな一万、白鳥、魚谷2人に危なそうな二万、どちらかを選ぶとして、一万を選択した」とのこと。
開幕戦に華を添えるまさにスーパープレイ。たとえトップが取れなかったとしても、Mリーガとしての誇り高き一打で、多くの麻雀ファンを存分にうならせた。【福山純生(雀聖アワー)】
※連盟=日本プロ麻雀連盟、最高位戦=最高位戦日本プロ麻雀協会、協会=日本プロ麻雀協会
◆Mリーグ 2018年に発足。2019シーズンから全8チームに。各チーム3人ないし4人、男女混成で構成され、レギュラーシーズンは各チーム90試合。上位6チームがセミファイナルシリーズ(各16試合)、さらに上位4位がファイナルシリーズ(12試合)に進出し、優勝を争う。
(AbemaTV/麻雀チャンネルより)





