去年9月、テキサス州のアパートで自宅と勘違いして1つ上の階に住む黒人男性の部屋に侵入、その男性を射殺した罪で、元警察官のアンバー・ガイガー被告(31)に懲役10年の有罪判決が言い渡された。
判決の後、殺害された男性の弟は「彼女(被告)を抱きしめてもいいですか? お願いします」と述べ、証言台から立ち上がると被告の元警察官に歩み寄って抱きしめた。弟は「本当に謝罪の気持ちがあればあなたを許します」と話したということだ。被告は「その時は殺されると思い怖かった。神に許しを乞いながら、毎日自分自身を憎んでいる」と証言していた。
抱きしめて許すというこの動画が公開されると、全米で賛否の声が巻き起こっている。アメリカでは有色人種を銃で撃った白人警察官が無罪となるケースが多く、今回の懲役10年でも「刑が軽すぎる」と抗議するデモが行われている。
被告を抱きしめた被害者の弟の心情について、アーサー・ホーランド牧師は「彼自身が許された体験があるんだと思う。許しを必要としてない人間は『何だこれは』と思うかもしれないけど、許された者が間違いを犯してしまった人を許す姿勢を表している。聖書の中に『我らに罪を犯す者を、我らがゆるすごとく、我らの罪をもゆるしたまえ』という“主の祈り”や、『愛はそむきの罪をおおう』という言葉があって、憎むより愛すること、恨むより許すことという価値観を彼は小さい頃から心に持っていたんだと思う」と推察する。
また、被告に懲役10年の有罪判決が出たことを踏まえ、「彼は自分の意見として『許す』と言ってハグした。兄貴もきっとそう言うだろうと。人間は『冗談じゃない』と思うのが普通で、そういう感情を経たのか“悟りの極地”みたいなところ」と述べた。
(AbemaTV/『けやきヒルズ』より)
▶映像:被害者の弟が法廷で被告をハグ
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