「あれ、リーチしないんだ」。そんな声も上がった一幕があった。大和証券Mリーグ2019、10月4日2回戦、赤坂ドリブンズ・村上淳(最高位戦)が南4局で渋谷ABEMASの新人・日向藍子をかわし逆転トップ、昨年覇者のチームに今期初勝利をもたらした。同卓者を圧倒するほどリーチで攻勢をかける村上は、いつしか“リーチ超人”の異名を取るようになったが、この日のリーチは1回だけ。リーチでのアガリなしでトップを獲得したこの日の村上に視聴者からは「ダマ超人」の声も上がった。
対局者は起家から渋谷ABEMAS・日向藍子(最高位戦)、セガサミーフェニックス・魚谷侑未(連盟)、赤坂ドリブンズ・村上淳(最高位戦)、EX風林火山・勝又健志(連盟)。昨年のMリーグ覇者チームも今年ここまでトップなし。そして村上はこの日、日向・魚谷の両女流にリードを許し、南3 局の親を迎えた段階では1万2300点の4着目と苦しい展開を迎えていた。
是が非でも加点したいこの局、その思いが牌に乗り移ったかのように、村上の配牌が凄い。すでに三暗刻ができており、さらにその1つの暗刻はドラ。これだけで5ハンが確定している勝負手を村上はそつなく7巡目に1・4索でテンパイすると、これをリーチせず。役ありで高打点、かつ役満への変化があるため当然のダマテンに見えるが、時にこれをリーチし強引に倍満以上に仕上げることもあるのがリーチ超人の異名を取る村上。ダマに構えたこの日の村上にコメント欄は「リッチ(リーチ)しないのかい」「これはダマだよ」とどちらの意見もあり騒然とする。河は2段目にさしかかるも一向に待ち牌は訪れず、他家からも放たれない。村上の眼光が鋭さを増し、手には力が入る。ようやくアガリ牌が訪れたのは13巡目、小気味良く1索をラシャに叩き付けると、ツモ・三暗刻・ドラ3で1万8000点の収入を得てトップに肉薄した。
“ダマ超人”のフィニッシュは、オーラス南4局1本場。3600点差の2着目で迎えると、整った配牌に恵まれ、するするとわずは4巡でテンパイに。5巡目に渋谷ABEMAS・日向藍子(最高位戦)から放たれた4筒をとらえ、再びダマテンからタンヤオ・赤2・ドラの8000点(+300点)で逆転勝利を手にした。
試合後のインタビューでは「開幕からチームにはラスが続いていましたが、そんなことで落ち込むことはありません。もちろん目標は連覇です」と力強く抱負を語った。前年覇者として、他チームから厳しいマークを受ける中、4戦目にしてチーム初トップ。ついに赤坂ドリブンズが、村上の1勝をきっかけに“らしさ”を出し始める。
【2回戦結果】
1着 赤坂ドリブンズ・村上淳(最高位戦)3万7600点/+57.6
2着 渋谷ABEMAS・日向藍子(最高位戦)2万4600点/+4.6
3着 セガサミーフェニックス・魚谷侑未(連盟)、2万100点/▲19.9
4着 EX風林火山・勝又健志(連盟)1万7700点/▲42.3
【10月4日終了時点での成績】
1位 セガサミーフェニックス +113.2(4/90)
2位 EX風林火山 +62.1(4/90)
3位 KADOKAWAサクラナイツ +22.4(4/90)
4位 TEAM雷電 +9.4(4/90)
5位 U-NEXT Pirates +2.3(4/90)
7位 赤坂ドリブンズ ▲81.6(4/90)
8位 渋谷ABEMAS ▲129.0(4/90)
※連盟=日本プロ麻雀連盟、最高位戦=最高位戦日本プロ麻雀協会、協会=日本プロ麻雀協会
◆Mリーグ 2018年に発足。2019シーズンから全8チームに。各チーム3人ないし4人、男女混成で構成され、レギュラーシーズンは各チーム90試合。上位6チームがセミファイナルシリーズ(各16試合)、さらに上位4位がファイナルシリーズ(12試合)に進出し、優勝を争う。
(AbemaTV/麻雀チャンネルより)






