大和証券Mリーグ2019、10月22日の1回戦で、KONAMI麻雀格闘倶楽部・前原雄大(連盟)が今期初トップを取り、チーム3勝目を挙げた。試合後の卓上では、同卓者に一礼後、ゆっくりと天に指を突き上げる新ポーズを披露。人気漫画・アニメ「北斗の拳」に登場するラオウの名シーンを思わせる姿に、ファンからは「ラオウ前原」「フロンティア精神に感動」といった声が多数寄せられた。
開幕前、「麻雀プロを全うする」と語っていた前原が、試合後の静寂の中、身じろぎも瞬きもせず、天空の一点を見つめると、それに向かって人差し指を真っすぐに伸ばした。前原と言えば、勝利する度、天井を見上げるシーンがファンにも知られているが、この日はラオウがケンシロウとの戦いに敗れ「我が生涯に一片の悔いなし」と言い放ち、天に拳を突き上げたシーンを彷彿とさせるポーズで、ファンだけでなく選手、関係者たちの度肝を抜いた。
対局者は起家からKADOKAWAサクラナイツ・岡田紗佳(連盟)、前原、セガサミーフェニックス・近藤誠一(最高位戦)、EX風林火山・勝又健志(連盟)。
昨期はプレイングマネージャーとして、選手起用についても尽力していたが、今期は選手に専念していた。東2局では、打牌時に利き手で手牌を2枚倒してしまい、イエローカードを出されたが、その後は見せ牌によるイエローカードの影響をものともしない闘牌で、東4局1本場ではリーチ・ツモ・ドラ・裏ドラ2で8000点(+300点)を決めた。
南1局では近藤の先制リーチに役牌仕掛けで対抗し、押し切った。解説のTEAM雷電・瀬戸熊直樹(連盟)も「前原さん、なかなか屈しないですからね」と、普段は同団体のA1リーグでしのぎを削り合っているだけに、攻め続ける姿勢に改めて感嘆した。
そして迎えた南4局5本場(供託1000点)。トップ目だった近藤と4000点差の2着目につけていた前原は、1600点以上をアガればトップという場面を迎えた。岡田が第1打で切った南を迷うことなくポン。この時点ではドラも赤牌もないので、南で1000点しかなかったところから、赤5索を手牌に引き込む剛腕ぶり。南・赤で2000点(+1500点、供託1000点)をアガリ切っての逆転トップ。高宮まり(連盟)の2勝に次いで、チームに3勝目をもたらした。
62歳にして変わらぬ力強さと、それ以上にファンを驚かせた新ポーズ。直後には、Twitterでも「前原さん」というワードでトレンド入りも果たした。「最後の最後に一番の盛り上がりを見せるプロフェッショナル」と喝采されたレジェンド雀士は、これからもKONAMI麻雀格闘倶楽部ファンのため、Mリーグファンのため、そしてすべての麻雀ファンのために、麻雀人生をかけて戦い続けていく。
【1回戦結果】
1着 KONAMI麻雀格闘倶楽部・前原雄大(連盟)3万5700点/+55.7
2着 セガサミーフェニックス・近藤誠一(最高位戦)3万3200点/+13.2
3着 KADOKAWAサクラナイツ・岡田紗佳(連盟)2万2600点/▲17.4
4着 EX風林火山・勝又健志(連盟)8500点/▲51.5
※連盟=日本プロ麻雀連盟、最高位戦=最高位戦日本プロ麻雀協会、協会=日本プロ麻雀協会
◆Mリーグ 2018年に発足。2019シーズンから全8チームに。各チーム3人ないし4人、男女混成で構成され、レギュラーシーズンは各チーム90試合。上位6チームがセミファイナルシリーズ(各16試合)、さらに上位4位がファイナルシリーズ(12試合)に進出し、優勝を争う。
(AbemaTV/麻雀チャンネルより)