大和証券Mリーグ2019、10月26日2回戦で、TEAM雷電・瀬戸熊直樹(連盟)が今期初勝利を挙げた。この日の1回戦で先発したチームメイトの黒沢咲(連盟)がノーホーラ(1回もアガリがない)のラス。重たい雰囲気もあったかもしれない2回戦目でバトンを引き継いだ瀬戸熊も東場はアガリを生むことができず、点棒を減らして迎えた南1局。役満・四暗刻をツモってトップに立ち、その後も大きく加点に成功、今期1勝目を獲得した。
この試合の対局者は起家から赤坂ドリブンズ・鈴木たろう(協会)、セガサミーフェニックス・茅森早香(最高位戦)、瀬戸熊、EX風林火山・勝又健志(連盟)の並びでスタート。
東4局までは勝又が5万点を越える大量リード。その他の3者はまず2着目争いが焦点となる。南1局に鈴木が七対子のみのアガリとなる場面で、勝又からのロン牌を見逃し。 打点を生むリーチのため、待ち牌探しをする。見逃しはリスクと隣りあわせ、この局その恩恵を受けたのが瀬戸熊。リャンメンにもできるターツをシャンポン固定し、役満狙いの手順を進め、見事リーチ・ツモ・四暗刻の3万2000点をアガった。
瀬戸熊の意思が実った役満ツモにコメント欄も「クマきた! かっけえ!」「セクシー瀬戸熊!」「これが熊よ!!」と大熱狂。その後も瀬戸熊は加点し、トップ目だった勝又を逆に3万点近く突き放す展開に。ラス親の勝又が執念の連荘をするも、最後は4着を逃れたい鈴木がアガってゲームセットとなった。
インタビューでは1回戦で同じく今期初トップを決め、明るく受け答えをしていた園田とは対照的に、瀬戸熊は淡々と振舞った。「ここまでなかなかトップが取れなかったんですが、内容は悪くなかったので、これを続けていればいつかは、と思っていました」と、自身のこれまでの戦い方には自信を持っているとし、「うちのチームは結果だけではなく内容が問われるので」と、勝つことに加え「ファンを魅了する」ことに強い意識があることを垣間見せた。
連盟のトップタイトルを複数回獲得するなど、実力は誰もが認めるところの瀬戸熊も、昨年は個人成績で21人中20位と、まさかの結果に終わった。今年に期すものは誰よりも大きいことは容易に想像できる。昨期終了時には瀬戸熊はチームのリーグ最下位について「僕がA級戦犯」「もっともっとバッシングを受けた方が、プロスポーツとして正当な世界かなと思った」とコメントも残している。「魅せながら勝つ」ことの難しさを、誰よりも強く痛感している男だ。
事実、チームリーダーの萩原聖人(連盟)がよくアピールするように「TEAM雷電の麻雀は面白い」ということを、何よりもファンが期待している。この日は1回戦のチームメイトの失点を、見事に役満ツモ、大きなトップで盛り返した。“セレブ”黒沢が高打点の攻めでファンを魅了している今期、“暴君”の復権によって、TEAM雷電の麻雀は、さらに面白くなる。
【2回戦結果】
1着 TEAM雷電・瀬戸熊直樹(連盟)5万5200点/+75.2
2着 EX風林火山・勝又健志(連盟)5万1800点/+31.8
3着 赤坂ドリブンズ・鈴木たろう(協会)5500点/▲34.5
4着 セガサミーフェニックス・茅森早香(最高位戦)▲1万2500点/▲72.5
【10月26日終了時点での成績】
1位 KADOKAWAサクラナイツ +180.3(16/90)
2位 EX風林火山 +76.9(18/90)
3位 TEAM雷電 +50.5(18/90)
4位 渋谷ABEMAS +44.6(16/90)
5位 セガサミーフェニックス +29.8(18/90)
6位 U-NEXT Pirates ▲34.8(16/90)
7位 KONAMI麻雀格闘倶楽部 ▲125.4(16/90)
8位 赤坂ドリブンズ ▲221.9(18/90)
※連盟=日本プロ麻雀連盟、最高位戦=最高位戦日本プロ麻雀協会、協会=日本プロ麻雀協会
◆Mリーグ 2018年に発足。2019シーズンから全8チームに。各チーム3人ないし4人、男女混成で構成され、レギュラーシーズンは各チーム90試合。上位6チームがセミファイナルシリーズ(各16試合)、さらに上位4位がファイナルシリーズ(12試合)に進出し、優勝を争う。
(AbemaTV/麻雀チャンネルより)






