野球指導において永遠のテーマとも言える投手のコントロール向上理論は、最高峰であるプロ野球においても、確立はなかなか難しいようだ。プロ野球の強打者として活躍、現解説者の広澤克実氏(57)が、投手の球速向上とコントロール向上の難しさを比較し「球速は方法論が何個かあるが、コントロールの方法論は確立していない」と説明した。

 広澤氏は10月27日、AbemaTVの六大学野球の中継に解説として登場。六大学の選手たちの活躍ぶりを見守りながら、投手の育成について言及した。球速とコントロールの向上について「両方難しい作業だけど」とした上で、「若い子が球速を上げるためには方法論が何個かある。コントロールがよくなる方法は確立されていない」とした。

 数字として明確に出てくる球速ではなく、思ったところに投げるコントロールについては、好投手と呼ばれた選手が指導者になった場合でも、経験則・成功例として語るのみで、方法論までは至っていないというのが、広澤氏の説。「(確立していれば)プロ野球のコントロールが悪いピッチャーは直るはず」と語り、今秋も盛り上がったドラフトでも「(コントロールとは)違う意味の才能があるから(指名される)。長所として、もっとすごいものを持って入っている」と、抜群の身体能力や将来性を持った投手が、プロの世界で開花しない理由も、コントロール理論が定まらないことが一因と解説した。

 一方、打者においては、除脂肪体重の重要性を強調。「自分の体重が80キロの人は、地球の反射エネルギーを80キロ使える。100キロの人は100キロ。体重があった方がパワーが上」と語り、ウェイトリフティングの競技でも体重別であることを例に出した。「太っている人は、筋肉もある。全部脂肪というアスリートはいない」と、かつては体重・筋肉の増加がパフォーマンス低下につながるといった考え方が多かったことに、改めて疑問を投げかけていた。

(AbemaTVより)

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