赤坂ドリブンズのルーキー、“マルコ”こと丸山奏子（最高位戦）のデビュー戦となった大和証券Mリーグ2019、10月29日の1回戦。南4局2本場という土壇場で、マルコは大逆転倍満ツモという大仕事をやってのけた。ラス目だった丸山が倍満ツモ決めた瞬間、歓喜の輪に包まれた赤坂ドリブンズの控え室の様子は、赤坂ドリブンズ公式Twitterにアップされた。
祈りながら戦況を見つめていた園田賢（最高位戦）、村上淳（最高位戦）、鈴木たろう（協会）、チームを率いる越山剛監督の4人がその瞬間、両腕を天高く突き上げ、互いの手を取り、肩を抱き合い、昨シーズンの優勝以上に喜びを爆発させた。
控え室に戻って来た丸山は、熱い4人に出迎えられると、勝利者インタビューではこらえていたはずの涙が、自然に溢れ出した。そしてオーラスの4着覚悟の見逃しに関して、振り絞るような声で4人に尋ねた。「トップ取りたかったんです。見逃しでOKだったんですか？」と。4人全員から「OK！」と即答された丸山は、やっと安堵の表情を見せ、心から勝利を味わった。
ドラフト指名以降、赤坂ドリブンズは今期のテーマとして掲げている「勝利と育成」に限られた時間の中で、真摯に取り組んできた。実際、育成に関しては、丸山自身が「おじさんたち」と呼ぶ面々が、本気で考え、時にはぶつかり、厳しく指導した。具体的には初代チャンピオンチームの思考を吸収するために、Mリーグ2018の試合の局面をピックアップし、先輩3人の思考を予測してノートに書き出し、それを実際に3人が確認していく作業の繰り返しだったという。
丸山は勝利者インタビューで「自分に足りないのは考える力。想像力も足りないし、その根拠を見つける力も弱い。ノートを書くことにも苦戦していた最中だったので、教えてもらったことを十分活かせるかどうかも不安だった」と期待と不安が入り混じった心情を吐露していた。
来る日も来る日もひたすらノートを綴ってきた丸山の努力が実を結び、それを支えてきたおじさん達が感涙した姿をTwitterで見たファンからは「こんなおじさん達がいて心強いだろうなぁ」「信じられない感動を与えてくれてありがとう」「まるこすごいぞ、いいもの見せてくれた」「いいおじさん達。ドリブンズはここから強くなる」「もらい泣きした」「影で努力していたのかと思うと応援したくなるわ」「かなこノートの成果やね！」と祝福の声が大量に寄せられていた。
赤坂ドリブンズの今期テーマは「勝利と育成」。初代チャンピオンチームに輝いた3人のメソッドを体現した丸山は、Mリーグのトッププロたちと渡り合った結果、勝てることを証明して見せた。【福山純生（雀聖アワー）】
【1回戦結果】
1着 赤坂ドリブンズ・丸山奏子（最高位戦）3万2700点／＋52.7
2着 EX風林火山・滝沢和典（連盟）2万7100点／＋7.1
3着 渋谷ABEMAS・多井隆晴（RMU）2万6700点／▲13.3
4着 KONAMI麻雀格闘倶楽部・佐々木寿人（連盟）1万3500点／▲46.5
【10月29日終了時点での成績】
1位 KADOKAWAサクラナイツ ＋136.5（18/90）
2位 TEAM雷電 ＋50.5（18/90）
3位 EX風林火山 ＋30.1（20/90）
4位 セガサミーフェニックス ＋29.8（18/90）
5位 U-NEXT Pirates ＋25.4（18/90）
6位 渋谷ABEMAS ＋20.8（20/90）
7位 KONAMI麻雀格闘倶楽部 ▲143.7（20/90）
8位 赤坂ドリブンズ ▲149.4（20/90）
※連盟＝日本プロ麻雀連盟、最高位戦＝最高位戦日本プロ麻雀協会、協会＝日本プロ麻雀協会
◆Mリーグ 2018年に発足。2019シーズンから全8チームに。各チーム3人ないし4人、男女混成で構成され、レギュラーシーズンは各チーム90試合。上位6チームがセミファイナルシリーズ（各16試合）、さらに上位4位がファイナルシリーズ（12試合）に進出し、優勝を争う。
（AbemaTV／麻雀チャンネルより）
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