独自のアート作品を生み出し、SNSを起点に活躍の場を広げるクリエイターが続々と登場している。10月31日放送のAbemaTV『AbemaPrime』では、中でもユニークな事例を紹介した。
■憧れの武器を段ボールで再現、チャンネル登録者18万人に
一人目は、幼い頃に憧れた、アニメやゲームに登場するカッコいい武器の数々を、ダンボールや割り箸など、身近にあるものを使って完全再現している、いわば“令和版わくわくさん”、ダンボール工作クリエイターのつくるさん。会社員として働きながら、趣味で武器を制作している。「会社で段ボールが大量に廃棄されるので、それを使って子どもに何か作ろうかなっていうのがきっかけですね。主に変形するものを作ってるんですけど、劇中ではごまかされているような“動き”を現実のものにするのが面白い」。
まずは武器を3D画像で図面化、段ボールをレーザーカッターで裁断、そして各パーツに分かれたものを組み立てる。そのようにしてできた作品の中でも自慢の品が、『遊戯王』の「デュエルディスク」だ。「裏側を見ますと、アイスの棒がついています。ここに輪ゴムをひっかけることで、右と左のフレームがスライドして展開するようになっています。割り箸の先端を差し込んで止めています」。
こうした作品をYouTubeにアップしたところ、チャンネル登録者数は18万人に達し、いまや立派な副業になっているという。動画は海外の方も見やすいよう、言葉による説明・テロップは使わず、映像だけで伝わるように工夫している「この人にしかできないよねってことをやりたいっていうのがあって」。
■友人の投稿がバズり、今ではスタバからの依頼も
次に紹介するのは、幼いころから趣味でミニチュアを作っていたMozuさん。大好きだという旅館の和室を再現した「こびとの旅館」を見せてもらうと、驚くほどの細部へのこだわりがわかる。机の上のトランプは小指の爪よりも小さく、無造作に置かれた紙袋の中には…お土産の包みが入って言える。しかも冷蔵庫は扉の開閉が可能で、中には飲み物まで入っている。
そんなMozuさんが世に出るきっかけは、16歳の時、高校の同級生がネットで紹介したところ、一挙に5万いいね!が集まったことだった。「それまでは大したものじゃないと思ってたので、うれしかったですね。そんなにすごいんだって。あそこが間違いなく人生の分岐点でしたね」。
以後、多くの作品をSNSで発信、21歳の若さで、ジオラマやコマ撮りアニメを手掛ける会社を立ち上げた。現在では企業から仕事の依頼も寄せられ、スターバックスコーヒーからは新商品のプロモーション用のミニチュア制作を任された。「スターバックスって誰でも知ってるじゃないですか。そのブランドの元で作品を作るって相当プレッシャーがありましたね」。
■水をこぼしたことがきっかけで苦手な絵が強みに
31歳で映像制作会社を設立、ウェブCMやPVを手掛けていたつのだふむさんは、32歳で画家としても活動を開始。そして34歳の時に“不思議動画”がバズる。「絵が下手で、動くものは描けないなと思っていた」と話すつのださん。「ノートに水をこぼしてしまって、絵が滲んだ。その様子を見て、俺の下手な絵は動かないけど、滲んだら面白いと。わざとこぼしてみて、金魚が動き出したらバズるかなと思った。全然バズらなかったが」。
しかしその後、作品が評価を得ていくようになる。「人によってはコメント欄で“こんなのソフトを使えばすぐできる”と。使っている技術も何十年も前からあるコマ撮りやアニメーションの技術だ。そういう意味で、コメント欄の人も“こんなの50年前からできるよ”というが、僕はそこではない」。
現在は漫画家に転身してコルクに所属、今月には新作『りさこのルール』の連載がスタートする。「今年の春に制作会社を辞めたが、アイデアが降ってこないので、一日中考える時もある。まだこれだけで生計を立てることはできていないが、SNS上のファンは増えているので、可能性を広げていけると思う」と話していた。(AbemaTV/『AbemaPrime』より)
▶映像:各クリエイターの作品の動画も
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