オーラス、4着目のリーチに差し込むとよもやの裏ドラ2枚。跳満だと変わってしまう結果にヒヤっとしたのもご愛敬だ。大和証券Mリーグ2019、11月7日2回戦で、EX風林火山・滝沢和典(連盟)が今期2勝目を獲得した。
この日の対局者は起親からTEAM雷電・萩原聖人(連盟)、滝沢、U-NEXT Pirates・小林剛(麻将連合)、赤坂ドリブンズ・園田賢(最高位戦)の並びでスタート。1回戦にも登場した滝沢は、5万点近い2着となった好調を維持し、2回戦も東1局からホンイツ・中の5200点で先行。小林とトップを競り合う展開となった南3局にはリーチ・一発・ツモ・平和・ドラの8000点をツモ。これで持ち点はただ一人4万点を超えると、オーラスは4着目の萩原からのリーチに差し込んでトップ終了となった。
インタビューでは「やっぱりツイてますね、どう考えても(笑)。基本的にツイてる、勝つときはそんな感じです。負けてる時の方が喋ることたくさんあるんで」と謙虚に語った。
見せ場となったオーラスの差し込みについては、「2筒が4枚見えて234の三色同順の可能性がなくなり、ドラ2枚と赤も1枚見えたのでハネ満の可能性も低くなって、全員に通る牌を持っていないというのもあって(ロンと言われたらほぼ自身がトップ終了となる、萩原への放銃の可能性が高い)四万を選びました」と的確な思考を語り、ファンを納得させた。1回戦はTEAM雷電・瀬戸熊直樹(連盟)との熾烈なトップ争いの末、攻めて放銃、2着転落となったが、2回戦は差し込む相手の点数も的確に見積り、狙い通りの逃げ切り勝利。絶妙な攻守バランスに加え、展開読み、打点読みにも冴えているところを思う存分に発揮した結果となった。
さらに1回戦へ話は及び、ドラが3索で2・5索待ちの満貫テンパイとなっていた際に、ツモった3索を手の内の3索と入れ替えた(手出しした)ことについて質問されると「僕の仕掛けは高いと見られがちなので、あそこでドラをツモ切るとドラがなくても高い勝負手、と思われてしまう。手出ししておいた方がいいかなと思いました」と自らの「他家からの見られ方」を繊細に考えていることも説明。良い手をアガリ切るための滝沢の工夫・戦術が垣間見られた。
この日解説の渋谷ABEMAS・多井隆晴(RMU)は「強気なバランスがいい方向に出ているね。多分このまま行くんじゃないかな、どっかでやられない限りやってみようって思ってると思うよ」とし、「去年は個人成績を僕と争っていたし、今年もすでに140勝っていて、いい意味で邪魔な存在だね。ぶつけてくれ、俺と!」と滝沢の勢いを意識していることに言及した。
これで滝沢は6試合連続連対で個人スコアも3位浮上。直近5戦連続2着と歯がゆいところもあったが、ここでようやく今期2勝目。今年も個人スコアで上位をキープする滝沢の「抜群のバランス感覚」に、今後も注目が集まる。
【2回戦結果】
1着 EX風林火山・滝沢和典(連盟)3万2500点/+52.5
1着 TEAM雷電・萩原聖人(連盟)2万5100点/+5.1
3着 U-NEXT Pirates・小林剛(麻将連合)2万3900点/▲16.1
4着 赤坂ドリブンズ・園田賢(最高位戦)1万8500点/▲41.5
【11月7日終了時点での成績】
1位 KADOKAWAサクラナイツ +140.8(24/90)
2位 EX風林火山 +118.9(24/90)
3位 TEAM雷電 +82.4(24/90)
4位 セガサミーフェニックス +37.3(24/90)
5位 U-NEXT Pirates +11.9(24/90)
6位 渋谷ABEMAS ▲18.8(24/90)
7位 KONAMI麻雀格闘倶楽部 ▲114.5(24/90)
8位 赤坂ドリブンズ ▲258.0(24/90)
※連盟=日本プロ麻雀連盟、最高位戦=最高位戦日本プロ麻雀協会、協会=日本プロ麻雀協会
◆Mリーグ 2018年に発足。2019シーズンから全8チームに。各チーム3人ないし4人、男女混成で構成され、レギュラーシーズンは各チーム90試合。上位6チームがセミファイナルシリーズ(各16試合)、さらに上位4位がファイナルシリーズ(12試合)に進出し、優勝を争う。
(AbemaTV/麻雀チャンネルより)






